マブラヴ 未来への咆哮 外伝 「シルバー・ワイフ」達の赤裸々なお茶会



武と18人の花嫁との結婚式から半年近くが経過したある日。武達の為に帝都に建てられた邸宅の居間で、「シルバー・ワイフ」と渾名される武の妻達が勢揃いしていた。

「……やっぱり、天然物は最っ高よね〜〜」

ちょうどおやつの時間らしく、未だに貴重な天然物の材料で作られている栗羊羹を口にして、夕呼を含めた全員が顔を綻ばせている。勿論、お茶も天然物だ。
さて、なぜ悠陽以外は軍属である彼女達が自宅でのんびりとできるのか? それには、勿論理由がある。……ぶっちゃけると、純夏以外全員が妊娠しているのだ。実は地球奪還が為るまでは避妊していた武達でした。
まあ、地球の奪還は果たしたものの、BETAの脅威は月と火星、そして外宇宙に未だ存在している。とは言え、今の段階ではBETAの支配域であったユーラシアを中心とした地球の復興が人類の第一とされており、人類にとって平穏と言えば平穏な時間が流れているので、悠陽以外が軍属である彼女達が子供を産むのに適した時期と言える。
ただ、現在の急速な復興も未来への戦いに向けての人類の体力作りと言う面は否めず、その一環として武だけはある軍務に就いていた。

「……たけるさん、大丈夫かな〜?」

「タケルちゃんってば、ハシャギすぎてそうで心配だよ」

「そうだね。タケルって、調子に乗りすぎて宇宙漂流とかしてそうだもん」

「……縁起でもない事を言うでない、美琴」

壬姫、純夏、美琴、冥夜達の会話にも出ていたように、武は現在、国連宇宙軍のステーションに、ゲジヒト、ハキム両博士を中心とした第4世代戦術機開発チームと共にいる。
宙間戦闘も可能な第4世代戦術機の開発は、『Gaia-Guardian-Project』を擁する国連軍主導で進められる事になり、テストパイロットは名実共に人類最強の衛士である武が務める事になったのだった。……その話に水月が悔しそうにしていたのは余談である。

「……それにしても、暇ね〜」

お腹が目立つほど大きくなっている訳ではないが、人類の英雄である武の子供が産まれると言う事で、彼女達は出産まで強制的に休みを取らされた状態だ。周囲の対応は度が過ぎているのではと感じるほど丁重で全てにおいて上げ膳下げ膳状態なので、皆どうしても暇を持て余し気味になってしまう。

「…………良い事、思い付〜いた♪」

そのため、夕呼は暇潰しに手段を選ばない。まあ、その被害は身内だけに納めてはいるが。

「……今度はどんなろくでもない事、思い付いたのよ?」

これまでその言葉を口にした夕呼に散々な目に遭わされてきたまりもが、ジト目で夕呼を見る。

「武との性活を告白し合ってみるのはどう? 実はさぁ、前々から気になってたのよねぇ〜」

まりもを無視して、そんな事を言い出す夕呼。……実に楽しそうに。

「『せいかつ』を告白? 特に告白するような事ではないのでは? お互い知ってる事ですし」

夕呼の言葉に首を傾げながら、そう答えるイリーナ。日本語の微妙な言い回しが理解できず、『せいかつ』=生活と考えているようだ。

「そう? 今までそんな話した事ないと思うし、あたしはあんた達の性活は知らないわよ、イリーナ?」

「……イリーナさん、『せいかつ』とは夜の生活の事です」

「えっ!? そうなの、祷子!?」

「イリーナは知ってるんだぁ、あたしたちの性活ぅ♪」

ニヤリとする夕呼に苦笑する祷子、顔を赤くするイリーナ。……祷子くらいサラッと流せれば良いのにね、イリーナさん。

「し、知りません! か、勘違いしただけです!」

「まあ、今から判る事だし、気にしない気にしない♪」

「って、そんな事を告白する方向で話をまとめようとしないで下さい!」

「そうですよ! 私、そんな事話しませんよ!」

「……はすかしいです」

千鶴、茜、霞が顔を赤くしながら、夕呼の言葉に反対の意を示す。

「いいじゃない、暇なんだしぃ。それに興味あるでしょ?」

「……まあ、ちょっと位は興味ありますけどぉ」

「でも、やっぱり恥ずかしいですよ」

水月と遙も反対のようだ。ただ顔が赤い水月に対し、遙はいつも通りの笑顔である。……ホントに恥ずかしいと思ってる?

「武のヤツ、「究極恋愛原子核」のせいか、アッチ方面がつよくてうまいでじゃない? だから、全員あいつに主導権握られっ放しでしょ? あたし達が話し合う事で、傾向と対策、更にあいつの弱点がわかるかも知れないわよ?」

「……それはいいね」

「そう言われたら、魅力的な話ですね」

夕呼の武の弱点がわかるかもしれないと言う言葉に、慧と晴子が食いつく。

「……『敵を知り、己を知れば百戦危うからず』と言う事ですね。流石、夕呼博士です。解りました。それでは、これより各々の性活を告白していく事に致しましょう」

「「ゆ、悠陽様?」」

「真那さん、真耶さんもよろしいですね?」

「「………御意」」

同じ武の妻とは言え現在も政威大将軍である悠陽の言葉に誰も反対できる筈もなく、夕呼の思惑通り麗らかなお茶会が赤裸々な告白の時間になったのだった。


冥夜と悠陽の場合 純夏と霞の場合 真那と真耶の場合
夕呼とまりもの場合 水月と茜の場合 遙と祷子の場合
晴子とイリーナの場合 千鶴と慧の場合 壬姫と美琴の場合



『………………………………』

それぞれに自分の性活の何例かを告白し合って、全員が沈黙した。数名を除いて、顔を真っ赤に染めている。

「……アイツが結構Sで趣味が広いとか色々と解ったけど、何かアイツ相手に主導権握れそうな方法は物理的に拘束するくらいしかなさそうね」

沈黙を破って、顔色を変えていない数少ない一人である夕呼が話をまとめた。「究極恋愛原子核」の凄まじさに、みんな溜息。

「あっ、それは止めた方が良いですよ。前、水月がそれした時、「仕返しは3倍返しだぜ、フゥーハッハハー」って笑いながら、もの凄い事してましたから」 「ちょっ、遙!!? それ、内緒って言ったじゃないっ!!!」

赤い顔の遙の言葉に顔どころか全身を真っ赤に染めて食って掛かる水月。「もの凄い事」と言う言葉にゴクリと息を呑むのが多数。

《………シて貰って/頂いていないプレイがいくつかあったな/かな/ありました。今度、シて貰おう/頂きましょう♪》

以上、夕呼以外の性活告白の感想。……武の調教は恐るべき進行具合です。正に鬼畜! 世の男からしたら羨ましい事この上無い話である。

「クッ、アタシは諦めないわよ。絶対、アイツの弱点を見つけてやるんだから」

孤立無援で頑張ることを誓う夕呼であったが、天才であっても「究極恋愛原子核」の力には勝てずに生涯を終えることになったとさ。
そして、この後も妻達の御茶会は定期的に開かれることになった。情報共有を主目的として(笑)

―――今日も地球は平和でした。


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