Blade worker 15 「小次郎との決着と昏き影」 <霜月さん>
深夜の柳洞寺山門前。そこに佇む、群青の侍。暗殺者の役職でありながら、己が存在を隠す事は無い。瞑想するかのように目を閉じ、何かを待っているかのようだ。
「……来たか」
目を開け、視線を石段の下に向ける。其処にいるのは黒尽くめの魔術使い、衛宮士郎。青き剣士、アルトリア。白き最高のマスター、イリヤ。鉛色の巨漢、バーサーカー。
「久しいな、戦士よ」
「……そこを通してもらう」
「往きたければ、押し通るが良い」
言葉は無粋と言わんばかりの侍の言葉に、剣を構える剣士と巨漢。
「「「「「………」」」」」
張り詰めた空気。状況は圧倒的に不利。にも拘らず、涼やかに隻腕にて佇む侍。
と、士郎がアルトリアとバーサーカーの前に出る。
「「シロウ!?」」
「……コイツとは、俺だけで戦わせてくれ」
「なっ!? 何を言っているのですか、シロウ!?」
「頼む」
二の句を告げさせないくらいに言い切る士郎。
コイツと俺だけで戦ったからって、何がどうなるわけじゃない。
そう、何にもならない。無意味だ。
キャスターを止める為にも、アルトリアとバーサーカーの力を借りて、ここを早々に突破する事が最善だ。
解っている。意味も無く、自己満足すら得られない。それでも、譲れない。
「………シロウが危なくなったら、すぐにバーサーカーであいつをやっつけちゃうんだから」
「!? イリヤスフィール、何を言って!?」
「男の我が儘を受け止めてあげるのも、一流の淑女の務めよ。それに、このままじゃシロウ、令呪を使いかねないわよ?」
「〜〜〜ッ!!」
厳しい表情で士郎をを睨むアルトリア。
「………どうしてもですか、シロウ?」
「ああ」
士郎の意志を確かめんと睨むアルトリア。それを真正面から受ける士郎。
「……フゥ。判りました。ですが、危険と判断したら、すぐに割って入ります!! 解りましたか、シロウ!!」
「……ありがとう、イリヤ、アルトリア」
群青の侍を見据える。
「投影、開始」
二本の小太刀を手に一歩踏み出す。
「……名を聞かせてはくれまいか」
「衛宮士郎」
「士郎……、良き名だ。では、始めようか」
そして、飛燕の如き剣閃が奔る。同時に二本。
「「!!」」
驚愕に目を見開くアルトリアとイリヤ。
キィィンキィィン!
剣弾と双刀にて、二重の剣閃を防ぐ士郎。だが、それで終わりではない。
幾つかの剣弾が、小次郎に迫る。二重の剣閃がそれを墜とす。
そして、再び、士郎を二重の剣閃が襲う。
「……嘘。多重次元屈折現象を完全に体得しているって言うの?」
至る事と、究める事は異なるものだ。
「燕返し」を会得した事により、満足している己があった。
だが、左腕を墜とされ、望んだ。その先を。
だからこそ、今、この男、衛宮士郎と戦える。
キィィンキィィン!
男子、三日会わざるば刮目して視よ、とはよく言ったものだ。
ランサーとの戦い、バーサーカーとの戦い。濃密なる戦闘の経験が、衛宮士郎を強くした。
戦場が山門である事で、能力が万全な小次郎であっても渡り合える。
後にキャスターが控えている事も踏まえ、固有結界を温存していて、尚。
それは、武器の違いもある。ランサーの赫い魔槍、バーサーカーの斧剣に比べ、小次郎の長刀は脆い。剣弾を墜とすのは良くても、受けるのは好ましくない。
剣弾により、二重の剣閃の軌道を限定され、双刀にて防がれる。
キィィンキィィン!
刃金の輝きが交錯する美しき剣舞。
それを見惚れるかのように、黙して見守るアルトリアとイリヤ。
互いに決め手を欠いたまま、澄んだ音を響かせ、剣舞は続く。
ザッ!
士郎が、剣閃を抜って一歩踏み出す。その瞬間、アルトリアは強烈な悪寒を感じる。
「シロウ!!」
間に合わない。それだけは確信できる。それでも、踏み込む。シロウを護ると誓ったのだから。
「―――九重」
剣閃を繰り出した後、流れるように構え、その技を放つ。
唐竹、袈裟斬り、逆袈裟、胴、逆胴、右切上、左切上、逆風、そして、背後の退路を絶つ囲い込みの円軌道の剣閃。
燕は避けれるが、人ならば避ける術無き九つの同時斬撃。それは正しく斬撃の檻。
正に必殺。……相手が真っ当な剣士ならば。
「是、射殺す百頭」
強力なエネルギーの内包を意味し、埋葬機関の黒鍵の鉄甲作用と同じ効果を持つ、「野生の古代牛」のルーンが刻まれ、バーサーカーの斧剣から解析した情報により会得した超精密射撃の技術を持って放たれた9本の剣弾が、九つの斬撃を防ぐ。
ギィィィィィィィィィン!!!
前方が開ける。懐に入れば、長刀を使う小次郎は不利。間合いを詰めるため、更に踏み出す士郎。
その瞬間、士郎を襲う二重の閃光。多重次元屈折現象の刺突。
狙いは心臓と喉。共に必殺を期した刺突。
其れを読んでいたかのように防ぐ士郎。双刀ではなく、己が掌で。
「「「!!!」」」
皮膚を、筋肉を、血管を、神経を、骨を貫いていく長刀。
士郎の腕に埋まっていく刀身。そして、士郎は力を込め、長刀を捉える。
万力のように締め付け、長刀を離さない士郎の腕。――小次郎の刀は封じられた。
「全投影、連続層写!」
ザシュザシュザシュ!!!
固有結界を展開していない状態の士郎が一度に放てる剣弾は、自身の魔術回路と同じ27本。
その27本の剣弾を避ける小次郎。敏捷A+の小次郎と言えど、至近であった為、避けきれず、3本の剣弾に貫かれる。
「ぐっ!」
だが、士郎の攻撃はそれで終わりではない。
「壊れた幻想!」
ボボボォォォォォォン!!!
宝具級の爆発で無いとは言え、至近の爆発に吹き飛ばされる士郎。
「シロウ!!」
士郎を受け止めるアルトリア。右腕には長刀が刺さったままだ。
「くぅっ!」
すぐに立ち上がり、爆煙を見据える。風に流されていく爆煙。
爆煙が消え失せ、小次郎の姿が露になる。
残った右腕を失ない、胴に二つの大穴が開いた満身創痍。―――戦闘がもう出来ないのは一目瞭然であった。
「肉だけでなく骨まで斬らせて、勝ちを取るか。………修羅よなぁ」
満足気に微笑いながら、士郎を見据える小次郎。
「……勝ちたかった訳じゃない。………護りたかったんだ」
苦い表情で搾り出すように答える士郎。
「……往け、士郎。お主が成すべき事を成すために」
道を開ける。亡霊である己を討った事すら苦しむ、難儀な漢の為に。
「……ああ」
キィィン!!
小次郎の前に長刀を突き立ててから、柳同時境内に向かう士郎。その後に続くアルトリア、イリヤ、バーサーカー。
「……迷うた甲斐があったと言うものだ」
士郎達を見送った後に呟く。
満たされていた。敗けたとは言え、己が全てを出し切った。これ以上、何を求めようか。
このまま、消えても悔いは残らぬ。
「……そう言う訳にもいかぬようだな」
己が身の内に蠢く気配。漂ってくる腐臭。
「……これも報いか」
罪無き者を殺めた自分が、良い気持ちのまま逝くと言うのは虫が良過ぎるか。
「この身を苗床に生まれるとは、どんな蛇蠍・魍魎の類か知らぬが、心しろ。……敵は手強いぞ?」
小次郎の左胸が裂け、心臓を掴んだ手が飛び出してくる。それを微笑を浮かべ眺めながら、小次郎の戦いは終わりを告げた。
「キキキキキキーーーーーー!!!」
山門を通り抜け、境内を進む士郎達。
「フゥーーー。どうやら治ったみたいだな」
両手を閉じたり、開いたりする士郎。「鞘」による治癒が終わったようだ。ちなみに、無理矢理、神経とか繋げたので、半端無く痛かった。
「シロウ!! あなたと言う人は、何と言う無茶をするのですか!!」
「いや、無傷で勝てるほど甘く無いだろ」
「だからと言って!!」
「もう良いじゃない、アルトリア。敗けた訳じゃないし、「鞘」の力でシロウの傷も治っているんだし。いつまでも煩く言うのは、淑女としてあるまじき行為よ?」
「私は騎士です!!」
敵地にいるとは思えない一行。と、そこに無数の強力な魔力弾が襲い掛かる。
キィンキィィンキィィィィン!!
対魔力Aのアルトリアと、「十二の試練」を持つバーサーカーにより弾かれ霧散する魔力弾。
それを忌々しげに眺める魔術師。
「くっ!!」
「キャスター!!」
キャスターを護るように出現した竜牙兵を、アルトリアの剣が断ち切り、バーサーカーの斧剣が粉々に砕く。
状況は最悪だ。集めた魔力の何割かは、門番であるアサシンに優先的に注いでいた。それなのに倒された。
神殿の形成も途中だ。魔力も、大魔術の行使に問題ない量はあるが、セイバーとバーサーカーを倒すには足らない。
まさか、自分との相性が最悪なセイバーとバーサーカーが肩を並べて攻め入ってくるなんて、予想すらできなかった。
どれだけ、思考を重ねても導き出される結論は一つ。自身の敗北。
「こんな所で……」
竜牙兵を次々と倒していく青の剣士と鉛色の巨漢。そして、竜牙兵の壁を抜け、セイバーが踏み込んでくる。
「ハァァァァ!!」
セイバーの斬撃が空を切る。ほんの僅かの差で空に舞う。
空中からマスターを殺せば! 頭に浮かぶ勝機。だが、すぐに潰される。
「バーサーカー!!」
セイバーがバーサーカの剣に乗る。
「■■■ーーー!!!」
バーサーカーが剣を振るう。その力を利用して、セイバーが空を飛ぶ。一閃。体を斬られる事は無かったが、ローブを斬られ、落下する。
「キャアァァァァァァァァ!!」
ドサッ!
だが、地面に叩き付けられることはなかった。
「そ、宗一郎様」
墜ちて来るキャスターを受け止めたのは、葛木宗一郎だった。
「葛木先生?」
「その声、2-Cの衛宮か」
「あんたがキャスターのマスターなのか?」
「そうだ」
「キャスターに命じて、街中から魔力を集めさせているのも、あんたなのか?」
「……キャスター」
「ハ、ハイ、宗一郎様」
「衛宮が言っている事は事実か?」
「は、はい。で、ですが、限界ギリギリの魔力を貰っているだけですわ。殺してはいません」
「何故、殺さない」
「な、何だと!?」
「お前がこの戦いを制するのに必要なら、躊躇うな」
「そ、宗一郎様……」
「そんな事させる訳にはいかない!!」
「……私はキャスターに望みを叶えてやると約束した」
言って、奇妙な拳法の構えを執る葛木。
「勝つのは、シロウよ。やっちゃえ、バーサーカー!」
「■■■ーーー!!!」
「行きます、シロウ!!」
例え、身体能力を強化しようと、この状況では勝機が無い。だから、
「待って!!!」
無防備に葛木の前に出るキャスター。
「何のつもり?」
酷薄な笑みを浮かべ、キャスターに問うイリヤ。
「……私の負けよ。だから、宗一郎様には手を出さないで」
「ふぅ〜ん。本気かしら?」
「ええ、本気よ。可愛らしいお嬢さん」
「キャスター。聖杯戦争とやらで勝利できなくても良いのか?」
「……はい、宗一郎様。私の望みは既に叶っていましたので」
「お前の望みとは?」
「……あなたと共にある事こそが、私の望み、です」
「そうか。ならば」
「そ、宗一郎様!?」
キャスターの前に立ちはだかる葛木。
「私はお前の望みを叶えると言ったぞ」
「で、ですが、このままでは、宗一郎様まで」
「そうね。仲良く、二人とも殺してあげる。バーサーカー」
バーサーカーが一歩、踏み出す。
「待って!! 宗一郎様、もう良いですから!! あなたは、死なないで下さい!!」
葛木を庇う様にキャスターが前に出る。
「イリヤ、待ってくれ」
「シロウ?」
士郎がキャスターと葛木の前に出る。何があっても対応できるようにしながら。
「もう、誰も傷付けないと約束できるか、キャスター」
「「シロウ!?」」
「約束できるんなら、葛木にもあんたにも手は出さない」
「シロウ、あなたは自分が何を言っているか、分かっているのですか?」
「ああ、分かってるよ、アルトリア。それで、どうなんだ、キャスター?」
「……本気で言っているのかしら?」
「ああ、本気だ」
「私が約束を違えないとも限らないわよ?」
「もし、シロウを裏切ったら、わたしが殺してあげるわ」
「イリヤ」
「むぅ〜、分かってるわよ」
「……受けさせて頂くわ、その条件。これから誰も害さない事を、宗一郎様への愛に賭けて誓います」
「そ、そうか。葛木先生もそれでいいですか?」
「キャスターが望むならば、是非も無い」
構えを解く葛木。それに合わせ、アルトリアとバーサーカーも剣を降ろす。
「それじゃあ、先ずは――」
これからの事を話そうと士郎が口を開いた瞬間、
ゾクゥッ!!!
不吉な気配が柳洞寺を支配した。
「なっ、何だ!?」
それ、は門の所にいた。
―夜の闇より、なお昏き影―
頭の中で警鐘が鳴り響く。あれはヤバい存在だと。
だが、アレが山門に陣取っているため、逃げ道は無い。
「くっ、シロウ!! 私が道を開きます!!」
アルトリアが影に向かって行こうとするのを、剣弾を放ち止める。
「シロウ!?」
「退がれ、アルトリア! アレと戦うのはマズい!」
視覚による解析だけだが、解る。アレとサーヴァントの相性は最悪だ。アルトリア達を戦わせる訳にはいかない!
「バーサーカー!!」
「■■■ーーー!!!」
イリヤの声を受け、バーサーカーが柳洞寺の外壁に吶喊する。
「■■■ーーー!!!」
ギャギャギィギャガガガガギィギャガァァァァァァ!!!
凄まじい音と共に柳洞寺の結界が軋む。そして、
「その結界を突破しなさい、バーサーカー!!」
イリヤに刻まれた令呪が輝く。
「■■■■ーーーー!!!!」
ビィギャッガガァァァァァァァン!!!!
破壊音と共に、結界に穴が穿たれる。イリヤの令呪一つと、バーサーカーの命一つを引き換えに。
「シロウ、ここから!!」
「ああ、分かった、イリヤ!! アルトリア、行け!! キャスターと葛木先生も早く!!」
「シロウ、あなたはどうするのです!?」
「……俺は、アレを倒す!!」
「ダメよ、シロウ!! 早く、こっちに来て!!」
「柳洞寺には、友達もいる。退けないんだ!!」
「シロウ!! 私はあなたの剣です、私も戦います!!」
「アルトリア!! イリヤを連れて逃げろ!!」
俺の令呪が輝く。絶対命令権に従い、アルトリアがイリヤを抱え、この場を離れる。
「シ、シロウ!!」
「ちょっと、離しなさい、アルトリア!!」
「バーサーカー!! 二人を頼む!!」
俺と一瞬、視線が交わった後、バーサーカーもイリヤ達を追って行く。キャスターと葛木先生も一緒に行ったようだ。
影を見据える。勝てるかどうか、分からない。だが、退く訳にはいかない!!
「行くぞ!!」
27本の魔術回路全てに、魔力が奔る奔る奔る!!!
「I am the bone of my sword」
詠唱が、朗々と紡がれた瞬間、影は霞のように消え失せた。
「…………」
気配を探る。……何の異常も無い。完全にあの影は消え失せたようだ。
「…………」
それでも、念の為10分程、柳洞寺の周辺を警戒するが、本当に欠片の異常も無い。
「…………帰ろ」
危険が無くなって喜ぶべきなのに、何故か釈然としなかった。
「シロウのバカーーー!!!」
「べるん!?」
イリヤに、魔力と体重がしっかり乗ったベアナックルを人中に叩きこまれる。……すっげえ痛い。
「シ〜ロ〜ウ〜」
「おおおお落ち着け、と言うか、落ち着いて下さいませ、アルトリアさん!!」
「安心して下さい。私はこれ以上も無く、落ち着いています」
「あわわわわわわ」
アルトリアに背後にライオンがいっぱい見えるヨ〜。わぁ〜い、レオのカーニバルだぁ〜。
「「二度と、ああ言う事はしないでね(下さい)!!」」
「ハイ!!」
あの後、柳洞寺から家に戻ると、門の所に大変御立腹のイリヤさんとアルトリアさんがおられました。
誠心誠意謝り倒して、何とか許してもらった。謝る事に関しては先生達に鍛えられているので自信がある。……自分で言うのもなんだけど、もの悲しい自信だなぁ。
「それで、私達はどうすれば良いのかしら?」
「柳洞寺には、またアレが現れるかもしれないから、しばらくは、家にいてくれませんか?」
「良いのか、衛宮?」
「ええ。家は広いですし」
「ならば、その言葉に甘えさせて貰おう。キャスターもそれで良いか?」
「私は宗一郎様に従いますわ」
「では、世話になる」
「それじゃあ、入りましょうか」
ガラララララ。
「ただいま」
「ただいま〜」
「ただいま戻りました」
「失礼する」
「お邪魔致します」
中から皆が俺達を迎えるため出てくる。
「「「「「おかえり(なさい)」」」」」
「おかえり、士郎って、何で葛木先生が?」
「その事は居間で話すよ」
で、居間で遠坂に事情説明。ちなみに、橙士は既におねむだ。
「謎の影ねぇ。何だかキナ臭くなってきたわね」
「アレも、何とかしなくちゃいけない」
「そうね。ソレに対する警戒も必要でしょうね。……ところで、士郎。解ってるの?」
「? 何をだ?」
「キャスターがしてきた事よ。解ってて、保護するのね?」
「…………ああ」
「そっ。それなら、私が言う事は何も無いわ」
「……それじゃ、風呂に入ってくる」
「ええ。おやすみ、士郎」
「おやすみ、遠坂」
遠坂は離れへ、俺は風呂場に向かう。
キャスターがした事は許される事じゃない。なら、俺はどうだ? 護るため、自分の正義のため、命を奪ってきた俺は? ――――赦しが在る筈がない。
判っていても自問せずにはいられない。この自問は、俺が生涯背負って往かなければいけない事なんだ。
「俺は、俺の出来る事をやるしかないんだ」
俺の呟きは、湯気の向こうに消えていく。と、
ガチャ。
洗面所のドアが開く音がした。
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