Blade worker外伝 Knight Gunner prologeU



双牙がアルトルージュに連れられ(捕縛され)数時間。双牙の目の前には大きな城があった。

「ここが妾の城じゃ」

「お城・・・・凄〜い」

びっくりしている双牙の様子に微笑みながら、アルトルージュは門へと向かう。そこには、白一色・黒一色といった相対的な・・・・二人の騎士が立っていた。

「姫様、お帰りですか・・・・その少年は?」

「この子か?妾の弟じゃ」

黒騎士の問いにアルトルージュがアッサリと答える。それを聞き、ピシっと石化する白騎士と黒騎士。しかし、冷静に復活した黒騎士が異議を申し立てた。

「い、いけません姫様!! その少年に酷い事かもしれませぬが、見知らぬ相手をアッサリと城に入れるのは」

「妾が見込んだ者じゃ。冬木市の聖杯戦争で、死が充満していた町で生きていた者じゃぞ?それも、生きる事を諦めぬ眼じゃ」

「し、しかし・・・」

それでも黒騎士が食いかかる中、獣の叫びが上がった。白騎士と黒騎士が上を見ると、上空から一つの白き影が舞い降りた。


―――美しき白い毛並み


―――赤き瞳を爛々と輝かせ


―――最も濃い「死」の気配を放つ白き獣


―――死徒二十七祖第一位【プライミッツ・マーダー】
が、警戒心を全開させていた。

「・・・落ち着きなさいプライミッツ・マーダー」
「GYRUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU!!」

アルトルージュが視線を鋭くさせるが、プライミッツ・マーダーは決して警戒心を解かない。白騎士と黒騎士が止めようとする中・・・。

「・・・やめて」

アルトルージュの腕の中にいた双牙が制止の言葉を発したのだ。そのままアルトルージュから降りると、双牙はトコトコと歩き出した。その先にいるのは、警戒心全開で睨み付けるプライミッツ・マーダー。

「や、やめろ!!」
「プライミッツ・マーダーは知らない人間には!!」

「・・・待て」

双牙を止めようとする二人の騎士を、アルトルージュが止めた。

「しかし姫様!!」

「大丈夫・・・・妾が見込んだ者なら・・・・・」

アルトルージュが双牙をしっかりと見つめる中、双牙はプライミッツ・マーダーに近づく。その距離が二メートル・・・一メートルと近づいた次の瞬間・・・。

「GRUAAAAAAAAAAA!!」

プライミッツ・マーダーは双牙に襲い掛かった。しかし、双牙は逃げる所か優しく笑顔を浮かべた。それを見て、双牙の身体を食らおうとしていたその口を止めた。

「僕・・・・・・きみの“トモダチ”になりたい」

そう言って、双牙は優しくプライミッツ・マーダーを撫でる。そして、触られても反撃しないプライミッツ・マーダーを見て驚愕する二人の騎士と黒の姫君。そんな中、突如双牙の手から光が零れはじめ、プライミッツ・マーダーの身体を包んだのだ。その光景を見ていた三人が驚く中、光が収まった場所にいたのは・・・。

「まったく、アンタみたいな根暗には私がいないとダメなんだから・・・」

・・・・白く長い髪・犬耳・赤い瞳をした少女が立っていた。それを見て、二人の騎士は完全に石化し、アルトルージュはかろうじて意識を保てたため、その少女に問いかける。

「・・・だ、誰じゃお主?」

「ひどいわね。私よ私、プライミッツ・マーダー」

「な・・・・・何じゃとーーーーーーーーーーーー!?」

少女―――プライミッツ・マーダーの言葉を聞いて驚愕し、やがて二人の騎士と同様に固まってしまった。そんな三人を無視し、プライミッツ・マーダーは双牙の手を握る。

「この城の事知らないでしょ。私が案内してあげるわ」

「・・・・・ありがと、お姉ちゃん」

「・・・・ふ、フン!別にアンタのためじゃないんだから・・・・あと、私の事は“プラウ”って呼びなさい」

「・・・うん。プラウお姉ちゃん」

「・・・・じゅる。い、いけない、ダメよプライミッツ・マーダー。相手はまだ子供なんだから・・・・でも・・・・・大人になったら・・・・いいわよね・・・」

そう言って双牙を見るプラウ。すると、双牙はそれに答えるように優しく微笑んだ。それを見て、プラウの心はドキドキと鼓動を鳴らしていた。

――これが、双牙ブリュンスタッドとプライミッツ・マーダーの運命の出会いだった・・・。


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