期末テストも無事終わり、麻帆良は春休みとなっていた。そんな麻帆良の中にある教会で、美空はため息混じりにココネと共にモップ掛けをしていたのだが……不意に視線をそちらに向けてみる。そこには礼拝堂の椅子に座り、コーヒーを嗜むシンジの姿があったりする。

「いいのですか? こんな所にいて?」

「なに、姿を見られたくらいで、早々困ったことにはなりませんよ」

ため息交じりのシャークティに、シンジは穏やかな顔で答えていた。それを見ていた美空は不思議なことがあったもんだと思った。あのシンジの態度。シャークティのことだから、一言くらい説教が出そうなのだが、それが無い。彼女にはそれが不思議でならなかったのだが――

「ま、美空さんとお話してみたかったというのもありますがね」
「へ?」

いきなり出てきた言葉に、美空は思わず顔を向ける。シンジが自分と話したい? なぜ? 確かに彼に幻想卿に連れていかれはしたがそれくらいで、大した接点なぞ無いはずなのだが――

「いや、シャークティさんがあなたのことで気になされてたようなので。少し話し合おうかと思いましてねぇ〜」

「は、はぁ〜……」

シンジの言葉に説教か? と嫌そうな顔をする美空だったが――

「美空さんは将来したいこととか、なりたいものってありますか?」
「へ?」

まったくの予想外の質問に、思わず間抜けな声を漏らしてしまう。それでも気を取り直し、聞かれたことを考えて……出てこない。あれやこれとか、したいことは色々とあるのだが……言ったら、シャークティに怒られるかなぁ〜と、口に出せなかった。

「そうっすねぇ……楽しけりゃいいんじゃないかな〜っと」

「美空……」

結局、大した子も浮かばなかったので、取り合えずといった形で漏らしてしまう。シャークティはその一言に思わず睨んでしまったが。

「いいんじゃないんですか、それでも?」

シンジはなぜか肯定してしまったので、シャークティは驚いていたが。

「楽しいことをしたいというのは、別におかしなことではありません。人であるならば、楽しいことしたいと思うのは当然でしょう。ま、どんなことで楽しみたいかは、人それぞれではありますが……では、あなたはどんなことで楽しみたいですか?」

不意に出た問い掛け。美空はそれを考えるのだが……出てこない。いたずらという言葉が出たが、それを言えばシャークティに確実に怒られそうだったので言えなかった。

「ま、そんなもんでしょうね」

何かを悟ったのか、シンジはコーヒーカップを手品のように消してしまうと立ち上がり、美空とココネの頭を撫でた。いきなりのことに驚く美空だが、ココネは気持ち良さそうにそれを受けていた。

「今はそれでいいのですよ。ですが、いずれは悩む時が来るかもしれません。その時は……その時でしょうねぇ〜」

「はぁ?」

「それも楽しみ方の1つということです」

優しい笑顔を向けるシンジであるが、その意味を理解出来ない美空はただ首を傾げるばかりであった。



春休み中はネギも教師の仕事をしつつもアスナ達と共に幻想卿に通い、修行を続けていた。この間、あったことといえば――まず、長谷川千雨にネギが個別訪問をしたことがあった。千雨の教室での様子がおかしかったので、気になったのだ。
で、個別訪問として寮の自室に行ってみるとなにやら独り言が聞こえてくる。気になったのでレックスを使って中の様子を調べてみると、そこにはコスプレをした千雨の姿が……しかも、普段とは違いノリノリな様子に……なぜか、シンジのことを思い出してしまう。シンジも見る方(ただし、作る物はそうでもないが)とはいえオタクな人であり、対処とかそういうのをある程度心得ていたのである。
なので、この状態で入るわけにもいかないと考えたネギは千雨が落ち着くまで待つことにし、その後に訪問したはいいのだが……ネギのよそよそしい態度から自分の秘密を知られたと気付いた千雨は混乱してしまい、ネギは必死になってなだめながらこのことは誰にも言わないと約束した。その必死な様子に千雨も落ち着きを取り戻し、なおかつ約束を守るネギの姿を見て、少しは見直したりする。
双子に麻帆良を案内されたことと、雪広あやかの家へアスナとこのかと共に家庭訪問に向かったことがあったが、あやかの対応が正史よりは普通なくらいでそほぼ正史道りである。このかのお見合い騒動は、ネカネからの手紙がきっかけとなったパートナー騒ぎは起きなかった。お見合いから逃げ出すこのかと出会ったものの、そこで起こったのは実に微笑ましい光景である。
そんなこんなで春休みも終わり。2−Aは3−Aへと進学したその日に、それは始まったのだった。



episode :04 『吸血鬼』




「ネギ先生。今日は身体測定ですので、みなさんの準備をお願いしますね」

「あ、そうでしたね。聞いての通りですので、みなさん準備をお願いいたします」

教室にやってきたしずなの言葉にそのことを思い出したネギは、一言言ってから教室を出るのだが――

「ねぇねぇ、吸血鬼の噂ってどう思う?」

「吸血鬼……ねぇ……」

柿崎美沙の話にアスナは呟く。思い出されるのは幻想郷に住まう吸血鬼姉妹。ネギから血を吸う所を見てたり、その実力の一旦を見ている身としては笑い話にはならなかったりする。

「あら、アスナも怖いの?」

「え? あ、いや……本当にいたらどうしようとか、そんなの考えちゃって」 (ていうか、本当にいるのよね……)

吸血鬼の話に盛り上がってたり怖がっていたりする中で、アスナはそうとだけ答える。内心は吸血鬼姉妹のことを思い出して、引き攣った笑みを浮かべるはめになってるが。なお、幻想郷を知るメンバーの多くは吸血鬼姉妹のことを思い出し、アスナと同じような顔になっていたりする。

「噂の吸血鬼はお前のような元気で活きのいい女が好きらしい。十分に気を付けることだな……」
「へ? あ……はぁ……」

いきなりエヴァンジェリンにそんなことを言われ、戸惑うアスナ。その時――

「大変やー! まき絵が……まき絵がー!!」
『何!? まき絵がどうしたの!?』
「うわぁ!!?」

慌てて駆け寄ってくる和泉亜子の叫びに教室からクラスメートが飛び出し、その光景にネギは驚くはめとなった。



「結論から言いましょう。犯人はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルさんです」

放課後。ネギやアーニャ、アスナなど幻想郷に行ったことがあるメンバーは教会に集まり、シンジの話を聞いていた。なお、教会には機械式の人払いの結界を張るなど、話を聞かれないようにしてある。

「って、エヴァちゃんが!?」

「でも、どうしてまき絵ちゃんを襲ったりしたの?」

驚くこのかの横でアスナがそんな疑問を投げ掛ける。なぜ、同じクラスメートを襲うようなマネをするのか? それがわからなかった為の反応である。というのもエヴァンジェリン自身、クラスメートと関わろうとしようとしないため、彼女のことを良く知らなかった為なのだが。

「ああ、そういえばあなた達は知らないのよね。話しても無かったし……」

「どういうことよ?」

アーニャの言葉にハルナは首を傾げるが――

「エヴァンジェリンさんは本物の吸血鬼です。しかも、真祖と呼ばれる吸血鬼としては上位種の」
「へ!?」

「しかも魔法使いの世界じゃ、知らないもんはいないくらいのな」

ネギの話にアスナが驚くと、カモが補足するように説明を始めた。曰く、闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)、人形遣い(ドールマスター)、不死の魔法使い(マガ・ノスフィラトゥ)。女子供を手に掛けたことは無いものの、それでも魔法界では600万$の賞金が掛けられた賞金首。もっとも、それは15年前の話で、今は無効となっているが。

「な、なんでそんな人がうちのクラスにいるのよ!?」
「ていうか、ナマハゲ扱いの伝説の有名極悪人が同級生なんて聞いてないよぉ!!?」

慌てるアスナだったが、その後ろでは美空が頭を抱えて驚いているようだった。まぁ、今まで気付いてなかった美空でも知ってるほど、魔法使い達の間では有名な存在なのである。

「600万$って、まだ安いもんだと思いますけどね?」

「そりゃ……あなたにしてみれば、そうでしょうが……」

シンジの一言にシャークティは呆れたような顔をしていた。余談となるが、シンジは億単位(しかも、ドル単位で)で賞金を掛けられたことがある。で、その賞金は今でも続いている。というのも死んだという情報が無いのと、黒き勇者の名を語る偽者が時折現れる為であった。もっとも、容姿が知られていない(歳を取っているのでかなり変わっていると思われている)ので、それがシンジだとは未だに知られてないが。

「でも、エヴァンジェリンは本当に何が目的で……」
「それに関してはこれをどうぞ」

シャークティの疑問にシンジは懐からポータブルDVDを取り出し、皆が注目する中で再生ボタンを押した。液晶モニターに現れたのは――

「じいちゃん?」 「高畑先生!?」

液晶モニターに現れた二人の人物にこのかとアスナが驚く中、映像の再生が始まる。

「学園長、今回の噂の元凶。エヴァじゃないのですか?」

「うむ、ほぼ間違いないじゃろう。多分、自身に掛けられた呪いを解く為にネギ君の血を狙っとるんじゃろうな。他の者の血を吸っとるのは、魔力の回復の為じゃろうて」

「では、どうするのですか?」

「静観じゃよ。ネギ君はいずれ通らねばならん道じゃ。余程のことがない限り、自分の力で何とかしてもらうとしよう」

「なるほど……わかりました。ま、エヴァのことですから、無茶なことはしないでしょうがね」

なぜか納得顔の高畑がその一言を言い終えると、そこで映像は止まってしまった。だが、映像を見ていた者達はただ黙ってモニターを見つめていたが……

「この映像……どうやって?」

「盗撮に決まってるじゃないですか。いやぁ〜、機械関係のセキュリティ甘いんで、楽に出来ましたよ」

若干、戸惑った様子の刀子にシンジは気にした風も無く答えた。なお、麻帆良では機械関係のセキュリティはシンジが言うほど決して甘くは無い。だが、魔法の制御にいくらか機械を導入してるとはいえ、セキュリティが魔法よりは甘いのは事実である。魔法使いの集まりであるためか、どうしても魔法の方に重点を置いてしまう傾向があったのだ。

「こ、これって……」 「なんなのですか……あれは……」

おろおろとするのどかの横で、夕映は複雑そうな顔をしていた。夕映にしてみれば、2人の会話はまともとは思えなかった。まぁ、事実自分達はほぼ関与しないと言っているようなもんなので、当然とも言えるが……

「ところで呪いってなに?」

と、ハルナが手を上げて聞いてくる。他の者達も気になったようでうなずいていたし。

「ああ、エヴァンジェリンさんにはナギさんが掛けた、登校地獄という呪いが掛けられてまして。ま、早い話、病欠や土日、祝日以外は学校に必ず登校しなければならない。また、麻帆良から出れないという呪いなのです。その呪いのせいで15年間、この麻帆良に閉じ込められてる状態でしてね。かなり鬱憤が溜まってるようです。後、本来の力を封印されてるようですが、こちらは別口と見た方がいいでしょうね」

「15年……それはキツイわねぇ……」 「エヴァちゃん、かわいそうかも……」

シンジの説明にハルナは顔を引き攣らせ、まき絵も襲われたというのに悲しそうな顔をして心配していたりする。

「お父さんは、なぜそんな呪いを?」

「さぁ? 私が調べた限りではそこまでは……ただ、ナギさんのことですから、いずれ呪いは解くおつもりだったのでしょう。本人にあんなことが無ければ……ね」

ネギの疑問にシンジは肩をすくめつつ答えるのだが――

「ネギ坊主の父上がどうかしたのでござるか?」

「あいにくですが、それにはお答え出来ません。ナギさんは表向き死んだことになっているのもそうですが、知られると色々とマズイことになりますからね。なので、お話しすることは出来ないのですよ」

「表向きはって……じゃあ、ナギ・スプリングフィールドは――」

「生きてます。まず間違いなく。ただ、それ以上のことはお話出来ませんが」

楓の質問に返事にそのことに気付いたシャークティだが、シンジはそうとだけしか答えなかった。魔法界に知られれば、混乱を起こすかもしれない事実。しかも、その混乱がどんな事態を引き起こすか予想もつかない。なので、安易に話すことが出来なかったのである。一方でアスナ達3ーAの面々は話が理解出来ず、訝しげな顔をしていたが。

「そうですか……では、お聞きしたいのですが……エヴァンジェリンがやろうとしている方法で、呪いは解けますか?」

「100%無理でしょうね」

ため息を吐きながらも問い掛ける刀子。それにシンジはきっぱりと否定した。というのも――

「よっと……呪いを解く方法は、呪いを掛けた本人か解呪が出来る術者で儀式などを行い、解くのが普通です。この錠前のように鍵を使って開けるのと一緒を考えてくださって結構です。一方、エヴァンジェリンさんがやろうとしてのは、この錠前をピッキングで開けるようなもんなんですが……ナギさん、何をどうやったのかわかりませんが、錠前になるはずだった呪いがカードキー並の複雑さになっちゃいましてね。そのため、エヴァンジェリンさんではまず解くことが出来なくなってるんですよ。ピッキングでカードキーが開けられるわけじゃないですしねぇ〜」

懐から出した錠前を出し、弄りつつ説明するシンジ。それを聞いていた古菲以外の皆は複雑そうな顔をしていた。なお、古菲はただ単に話が理解出来なかっただけである。

「そんな……どうにか、ならへんの?」

「ま、呪いを解くだけなら方法はありますが……今、解くのは得策じゃないでしょうね。エヴァンジェリンさんが呪いが解けたとたんに暴れ出すような真似はしないでしょうが……」

「エヴァンジェリンは犯罪者なのですよ? 賞金が掛けられるほどの……」

「たぶん、自衛の為に仕方なくといった所じゃないでしょうかね? 女子供に手を出さないという噂と賞金額の少なさから考えたら……ですがね」

悲しそうなこのかにそう答えてから、怒りを滲ませるシャークティにシンジはやれやれといった様子で答えた。そう、安すぎるのだ。場合にもよるが、真祖ともなれば億単位になってもおかしくは無いのに。だが、シンジが調べた限りでは、エヴァンジェリンが人を襲った事実はあまりにも少ない。
吸血鬼が人を襲い、血を啜るのは半ば本能と言える。それなのにエヴァンジェリンはそれでも少ないと言える。多分、彼女は必要最低限以上の血を吸うつもりはなかった。理由まではわからないが、それで人を襲う回数が少なかったのではないかとシンジは考えたのだ。

「ともかく、今エヴァンジェリンさんの呪いを解くのは得策じゃありません。エヴァンジェリンさんの過去を考えると、このまま解いたら色々と面倒なことになるでしょうしね」

ため息混じりにシンジはそう言い放った。その言葉にネギ達は複雑そうな顔をしていたが……ただ、呪いを解けば解決というものでもない。シンジにはエヴァンジェリンがただ呪いを解く為に動いているとは思えなかった。勘ではあるが、そう思える節がある。

〈では、エヴァンジェリンをどうするつもりなのだ?〉

「それですが……学園長と一緒になりますが、ネギ君に任せてみますかね」
「へ?」

レックスの疑問にシンジはしれっと答えるのだが、ネギは逆に驚いていた。まぁ、いきなりそんなことを言われるとは思わなかったのもあるのだが。

「ちょ、ちょっと! それって――」
「落ち着いてください。なんでもかんでも1人でやれとは流石に言えませんよ。必要なら相談にも乗りますし、手も貸します。ネギさんが望むなら、あなた方が手伝ってもらっても構いませんしね」

慌てるアスナにシンジは人差し指を立てつつ答えた。ネギにも自分で考え行動することを覚えて欲しかったのだ。ただ、学園長と違うのは様子を見ながらである。ネギはまだ10歳。シンジにあちこち連れ回されてるとはいえ、知識と経験がまだ浅いのは事実だ。なので、必要ならば手伝う。ただし、過保護にならない程度に。

「で、ネギ君はどうしたいですか?」

「そうですね。僕としては――」

シンジに聞かれ、ネギは自分の考えを話し始めた。その後、シンジやみんなの意見を交えて話し合いが進み――

「ん〜、それはいいと思うんだけど、大丈夫なの?」

「それは……わかりません。ですが、エヴァンジェリンもこのままじゃいけない気がして……」

アスナの疑問にネギは真剣な表情で答えた。エヴァンジェリンが何を考えているのか……それを知るためにも、この作戦を立てたのだ。

「ま、やるだけやってみようよ。やってみなきゃ始まんないしね」

「それもそうね」

ハルナの言葉にアーニャも腕を組みつつ納得する。まずは行動。その後、どうするかを考えていけばいい。行き当たりばったり言われそうだが、今はそれしかない。が、ここでネギはある失敗をしている。シンジはそのことに気付いているが、あえて何も言わなかった。失敗もまた、経験に繋がるからだ。
それにその失敗は今の状況ではさほど問題にはならず、ネギにもその失敗を打開する方法を持っているし、何かあれば自分が動くつもりでもいた。甘いと思われそうだが、シンジはすでに計算ずくの行動なのだ。伊達に策士を自称しているわけではない。

「それじゃあ、がんばろ〜!」
『お〜!』

ハルナの掛け声に一斉に掛け声を上げるネギ達。その中に入っていなかった美空は、なんでこんなにノリノリなんだと顔を引き攣らせていたが。一方でそれを見ていたシンジはふっと笑みを浮かべる。

「どうかしたのですか?」

「何、ネギ君の為に動こうと思いましてね。これでも一応、策士ですし」

刀子の問い掛けに、シンジは笑みを浮かべながら答えるのだった。



その日の夜――

「え、え〜と……こ、こわくな〜い……こわくないです……」

桜通りをのどかが1人、怯えながら歩いていた。怖い、けど通らなくては。だって自分は――その時だった。

「27番、宮崎のどかか……悪いけど少しだけその血を分けてもらうよ」
「え? あ、きゃあぁぁぁぁぁ!!?」

不意に現れた黒衣を纏う者に飛び掛られ、悲鳴を上げるのどか。だが――

「魔法の射手・戒めの風矢!!(サギタマギカ・アエール・カプトゥーラエ)」
「ち、氷楯(レフレクシオー)……」

その黒衣へと放たれる魔法。黒衣はその魔法を液体が満たされた小さなフラスコを投げることで相殺する。

「大丈夫、のどか?」

「アーニャさん、ネギ先生も」

その間にのどかの元へ駆け寄るネギとアーニャ。2人の登場にのどかは嬉しそうな顔をした。実はのどか、黒衣をおびき出すための囮だったりする。囮を出すのは話し合いで決まっていたが、それに立候補したのである。ネギの為なら……と、怖いながらに決意したのだ。戸惑いはあったものの、のどかなら囮に最適とネギ達も考え、そのまま決定。
そして、ネギ達はいつでも助けられるように魔法などを使って隠れ、様子を伺いながらのどかの護衛をしていたのだ。なお、少し離れた場所に楓と古菲がもしもの場合に備えて隠れており、更に離れた場所ではアスナ達が様子を伺っている。真名と刹那、シャークティと刀子は仕事の関係上来ることが出来ず、美空は「関わると怖いから」と参加を拒否。ココネも何も言わないが、不参加である。

「驚いたぞ……凄まじい魔力だな……」

「エヴァンジェリンさん……」

「10歳にしてこの力……流石に”奴の息子”だけはある……」

不敵な笑みを浮かべるエヴァンジェリンを、ネギとアーニャは静かに見ていた。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル……真祖の吸血鬼……封印されているとはいえ、不意打ちで放ったはずの魔法を防がれた。わかってはいたが、油断は出来ない。そう考えるネギの杖を握る手に力がこもる。

「聞かせてください。なぜ、こんなことをするのですか?」

「この世には……いい魔法使いと悪い魔法使いがいるんだよ、ネギ先生」

「は!?(レイジングハート、防御を!)」

(了解)

ネギの問い掛けにエヴァンジェリンは液体が満たされたフラスコと試験管を構える。それを見て、念話でサポートを頼みつつ、即座に魔力を練り上げ――

「氷結武装解除(フリーゲランスエクサルマティオー)!!」
(ラウンドシールド)

放たれる魔法。ネギはそれをレイジングハートにサポートされた防御魔法で防ぎきる。

「ほぉ……」

その光景を見て、エヴァンジェリンの目が釣り上がる。今放ったのは武装解除の魔法だが、抵抗(レジスト)するとは思ったが防がれるとは思わなかった。不意打ちとは言えないとはいえ、即座に防御魔法を張るとは……だが――

(奴の息子だけはあるか……だが、今の魔法はなんだ?)

一瞬ではあるが、ネギの前に魔方陣が展開されたように見えた。普通、防御魔法といえども、あのようなものが現れるはずが無いのだが――

「まぁ、いい……知りたければ付いて来い。私を捕まえられたら、奴のことを話してやるよ……」

後で確かめればいいとエヴァンジェリンはそんなことを言い残し、飛び去っていった。

「どうする、ネギ?」

「……今回はこれでいいよ。戻ろう」

アーニャにそう答え、ネギは構えを解いた。エヴァンジェリンの言うことが気にならないと言えば嘘になる。でも、感情で動くのがどんなに危険なのか……それを思い知っているから……あの時だって、シンジがいなければ自分はあの人達を――
それにあれは明らかに誘いでもある。となると、追いかけた先に何かが待っている可能性もある。もしかしたら、罠があるかも……シンジがそういうのを良くやるので、その辺りを警戒したのだ。

「さ、アスナさん達の所にもどろ――」
「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

ネギがのどかを立たせ戻ろう……とした時だった。なぜかエヴァンジェリンが怒鳴りながら戻ってきたのだ。しかも、明らかに怒ってる。

「なぜ、追ってこない!! 普通、追いかけるだろ!? あんなこと言われたら!?」
「え? あ、いや……なんと言うか……」

怒鳴り散らすエヴァンジェリンにネギは呆気に取られつつも、なんと言えばいいかわからずにいた。というか、エヴァンジェリンが戻ってくるとは思ってもいなかったのだ。で、エヴァンジェリンもなんで戻ってきたかといえば、ああいえばネギが追ってくると思ったのだが、そうはならなかった。
ネギとしては追いかけた先に罠があることも考えてのことだったが、そんなことを知らない彼女としては肩透かしを喰らったようなものだった。しかもエヴァンジェリン、正史でも自分の思い通りにならないとかんしゃくを起こす節がある。怒りはそのためだったりもする。

「く、奴の息子のくせして、なんと臆病な……まぁ、いい。その根性、叩きのめしてくれる! 茶々丸!」

「はい……」

なんか勝手なことを言いながら誰かを呼ぶエヴァンジェリン。で、やってきたのは――

「って、茶々丸?」

「そうだ、紹介しよう。私のパートナー……魔法使いの従者(ミニステル・マギ)、絡繰茶々丸だ」

現れた茶々丸に気付いたアーニャに答えるように、エヴァンジェリンが紹介してたりするのだが……

「さぁ、唱えてみせろ。お前達の得意な呪文をな」
「く!」

「のどかは私の後ろに!」
「は、はい!」

不敵に笑うエヴァンジェリンだが、ネギは構え、アーニャはのどかを自分の後ろに下がらせた。魔法使いの従者(ミニステル・マギ)とは、魔法使いは使い手にもよるのだが基本的に呪文詠唱中は無防備となる。呪文詠唱中に邪魔をされれば、それだけで魔法を発動出来ない。それを守るために存在するのが魔法使いの従者(ミニステル・マギ)なのだ。
となると、自分達が呪文を詠唱出来る暇は無い。茶々丸がどれほど強いかはわからないが、少なくとも自分達より弱いというのはまず無いだろう。シンジに格闘を教えてもらってはいるが、あくまでもある程度といったものだし――

「て、まさかシンジの奴……このことを知ってて言わなかったわね!?」

「そう……かも……」

そこでそれに思い至ったアーニャが叫び、ネギもとほほといった感じで同意していた。そう、これがネギ達の失敗。相手の戦力状況を確かめるのは基本中の基本とも言える。だが、ネギ達はエヴァンジェリンだけがやってると思い込み、それを怠ったのだ。
シンジのことだから、茶々丸がいることは知っていたはず。なのに言わなかったのはなぜか? 先程も言ったが、ネギにその失敗を経験させるのと……”聞かれなかった”からである。それはひどすぎないかと思われそうだが――

「ま、これくらいはなんとかしてもらいませんと、今後も大変ですしねぇ……さて、ネギさんが取る方法は3つ。退却か、楓さんと古菲さんに手伝ってもらうか。持っている切り札を使うか……」

離れた場所で様子を見ているシンジは楽しそうであった。さて、ネギ達はといえばシンジとほぼ同じことを考えていた。別に戦う必要も無いので逃げてもいいのだが、今のエヴァンジェリンを見てるとそれを許してはもらえないだろう。
となると戦うことになりそうだが……茶々丸の実力がわからないが、まず間違いなくこちらの不利。なにしろ、のどかを守りながら戦わねばならない。エヴァンジェリン達がのどかを狙わないとは限らない。なので守りながらとなると、厳しいといわざるおえないのだ。
弾幕を使えば何とかなるが、それは問答無用で却下した。なにしろ、魔法と体系がまったく違うのだ。見る者が見ればハッキリとわかるほどの。そして、知られれば厄介なことになりかねない。なので、使うのは余程でない限りは……となれば、楓と古菲に頼むしか――ネギがそれを決断しようとした時だった。

「どうした、来ないのか? 来ないのなら、こちらから――」
〈ネギ! 茶々丸は私がなんとかする!〉

ネギ達の様子に首をかしげながらも、エヴァンジェリンは不敵な笑みを浮かべ……その時、そんな声が響いた。

「く、誰だ!?」

「で、でも……大丈夫なの?」

〈任せろ。彼女なら私の方が適任だ。むしろ、天敵と言ってもいい〉

いきなり聞こえた声にエヴァンジェリンが慌てる中、その声と話し合うネギはそれを聞いて決意を固め――

「わかった。頼んだよ、レックス!」

懐からレックスを取り出し、放り投げた。投げられたレックスは変形し――

〈ネギ! 何度も言うようだが、携帯は投げるものではな〜い!〉

「あ、ごめん」

文句を言いながらも着地をする。ネギは怒られて謝っていたが……

「なんだ、貴様は……」

が、エヴァンジェリンは目を丸くして驚いていた。なにしろ、人形のように小さい物が魔法を使わずに動き回っていたのだ。茶々丸も表情には出てないが、内心では驚いていた。何しろ、自分と同じ存在を見たから――

〈私の名はレックス。ネギのサポートの為に造られた。茶々丸、君の相手は私がしよう!〉

と、ポーズを付けるレックス。それをエヴァンジェリンは目を丸くして見ていたが……

「く……ぷ、ははは……あははははは! き、貴様が茶々丸の相手をするだと? そんな小さななりの貴様に何が出来ると言うのだ!」

こらえきれずに笑い飛ばしていた。エヴァンジェリンから見れば、レックスが戦えるようには見えなかったのだ。確かにレックスには戦闘機能は無い。このまま戦えば、負けるのはレックスであろう。ただし、普通に戦えばの話だ。だが、ある条件が揃っていれば、レックスは強力な戦力となる。そして、その条件がここでは揃っていた。

〈イニシエイト・クラック・シークエンス。アクセス開始!〉

それを実行するため、レックスは両手を茶々丸に向けて、それを起動する。

「は! 何をするかと思えば――」
「あ……」

くだらんとエヴァンジェリンが一笑しようとした時、茶々丸が何かに反応したようにピクンと動いた。 「茶々丸?」

「あ、これ、は……ハッキン、グ……シス、テム、が……掌握……フリーズ……ダ、メ……」

訝しげに茶々丸を見るエヴァンジェリンだったが、茶々丸は何かを呟きながらガクガクと震え……やがて、動かなくなった。

「茶々丸? どうした、おい! 返事をしろ!?」

いきなりのことに動転するエヴァンジェリン。だが、茶々丸はうつむいた状態で固まったまま、反応すら見せなかった。イニシエイト・クラック・シークエンス。いわゆるハッキングだが、その機能をレックスは持っている。
元々、ネギの電子面でのサポートを目的に造られているので当然とも言える機能だろう。それを茶々丸に対して行ったのだ。茶々丸も魔法の力を借りてるとはいえ、電子の塊であることは否めない。だからこそ可能だったのである。シンジが言う切り札とはレックスのことだったのだ。
ま、何はともあれ、茶々丸をいきなり無力化されて混乱するエヴァンジェリン。それをネギ達が見逃すはずも無く――

〈ネギ! 今のうちに捕獲を!〉
「うん、アーニャ!」
「おおよ!」
「わ!? ま、まてぇ!?」

レックスに言われて、襲い掛かるネギとアーニャ。エヴァンジェリンはいきなりのことで何も出来ず……あっさりと縛られるのであった。

「く、貴様ら……いい魔法使いなら、正々堂々とやらんか!」

〈何を勝手なことを……〉

わめき散らすエヴァンジェリンを、レックスは腕を組みながら呆れていた。まぁ、彼女は知らなくて当然なのだが、ネギも「卑怯上等」と堂々と言い張るシンジに育てられてるせいか、その辺りに抵抗は無かったりする。

「やったじゃない、ネギ!」

「いえ、今回はレックスのおかげです。僕は大したことはしてませんよ」

「な、貴様ら!?」

終わったと判断したのかアスナ達がやってきてネギがそれに答える中、エヴァンジェリンは驚いていた。実は彼女、ここにいるのはネギとアーニャ、のどかの3人だけだと思ったのである。その思いこみのせいか、本来なら気付けたことに気付かなかったのだ。

「き、貴様ら……なぜここにいる!?」

「助っ人よ。といっても楓と古菲だけで、他は見学みたいなもんだけどね」

睨むエヴァンジェリンにアーニャがやれやれといった様子で答えるのだが……エヴァンジェリンは納得したような様子は無かった。

「小僧……貴様にプライドは無いのか!?」

逆に怒っているといった様子で睨むエヴァンジェリン。彼女にしてみれば、ネギの行動は記憶の中にあるあの者を彷彿とさせていた。それに対し、ネギはそれには答えず、ただじっと彼女を見ていた。言い返したいことはある。だけど、耐えた。今は聞きたいことがあったから……

「教えてください、エヴァンジェリンさん。奴って、お父さんのことですか? お父さんのことを何か知っているんですか?」

真剣な表情でネギは問い掛ける。父であるナギのことはスタンにいくつか聞いてはいるのだが、詳しいことはわからなかった。シンジもナギの居場所を知っているだけで、巷で話されていること以上のことを知らない。だから、知りたかった。父がどんな人であったのかを。
そんなネギを見てか、エヴァンジェリンの顔に笑みが浮かぶ。彼女も伊達に真祖となったわけではない。これはチャンスと踏んだのだ。

「ふん、知りたいか? 知りたければ、私と勝負しろ。勝ったら教えてやる。負ければ、貴様の血を頂くがな」

「な!? あっさりと負けておいて、何言ってるのよ!?」

「黙れ! 何も知らん小娘が!」

あまりにも勝手な言い分にアスナが食って掛かるが、エヴァンジェリンは殺気を込めた睨みを返す。意味は無かったけど。
まぁ、当然だろう。アスナ達も幻想郷に通うようになってからスキマ妖怪とか神様コンビ、吸血鬼姉妹に閻魔様と中々に素晴らしいラインナップの方々と会うようになった。当然というかその人達の存在感は凄まじく、それに慣れてるせいでのどかのように気が弱いのは仕方ないにしても、エヴァンジェリンの睨み程度では動じなくなっているのだ。慣れって偉大ですね。
まぁ、エヴァンジェリンもただ単にこんなことを言っているのではない。今回のネギの行動は裏で糸を引いている者がおり、その指示通りに動いたのでは? そして、それに納得していないのでは? そう考えたのだ。まぁ、半分ほど正解であるが……
一方でネギは考える。今の状況でエヴァンジェリンに聞いても話してはくれないと考えた。ならば、彼女が納得する形でならば? ただ、エヴァンジェリンと戦って勝てるのか? となると問題は別だ。弾幕やレイジングハートの力を借りるなら、勝てることは勝てるだろう。
だが、それらはここで使うには問題がある。何しろ、異質な力なのだ。それにエヴァンジェリンとの戦いを誰かが見るかもしれない。そして、それらを見た者がどう思うのか……ここでレックスのことを見せてしまったことを思い出したが、そこはシンジと相談しようと決めておく。ともかくとして、普通に戦ったらまず勝てないと思っている。となれば……

「条件があります。戦うのは僕とアーニャ……それともう1人の3人です」
「ネギ!? 何を言ってるのよ!?」

ネギの言葉にアスナは驚く中、エヴァンジェリンはネギを睨む。というのも――

「小僧……貴様、本当にプライドが無いのか?」

「2対1で勝てると思ってはいません。例え、アーニャと一緒戦ったとしても同じです」

「本当……なのですか?」

「”普通”に戦ったら、まず間違いなくネギが負けるわね。私と一緒でも……ま、結果は同じかな」

答えるネギの話を聞いて、問い掛ける夕映。それにアーニャが肩をすくめながら答えた。アーニャもネギと同じ考えだった。弾幕を使うことが出来ないとなれば、普通に魔法を撃ち合うことになるのだろうが……あちらには茶々丸がいる。それを相手しながらとなると、まず勝てる見込みが無くなってしまう。
だからこそ、ネギはもう1人入れさせて欲しいと頼んだのだ。勝てる方法を模索する。それがシンジの元で学んだものの1つである。

「なるほど……ただの坊やじゃないということか……いいだろう。ただし、勝負の日時はこちらで決めさせてもらうが、構わないか?」

「ええ、いいですよ。僕もわがままを言っているのはわかっていますから」

エヴァンジェリンの問い掛けにネギは答える。それくらいは認めないと、彼女は納得しないと思ったから……

「ネギ……」

「ふん、じゃあこの縄を解いてもらおうか。おい、茶々丸! いつまで固まっている気だ!?」

〈おっと、そうだった〉

アスナが心配そうに見つめる中、エヴァンジェリンの言葉でそのことに気付いたレックスが茶々丸のフリーズを解き、動けるようになった茶々丸はエヴァンジェリンの縄を解いて抱えるとバーニヤを使用して飛び上がった。

「せいぜい、首を洗って待っていろ、坊や」

そう言い残し、エヴァンジェリンは茶々丸と共に飛び去っていく。ネギ達はそれを見送るのだが……

「いいのでござるか、ネギ坊主?」

「甘いのは……わかっています。でも、知りたいんです。お父さんがどんな人だったのかを……」

楓の問いにネギは杖を握り締めながら答えた。甘いのは……わかっている。でも、どうしても知りたいことだったから……そんなネギをアスナ達はただ黙って見ているだけであった。

さて、ネギ達の様子を遠見の魔法で学園長と高畑は見ていたのだが……

「まさか、ネギ君があんなことを……」

ネギの行動を高畑は信じられないといった様子で見ていた。どこか、ナギを彷彿とさせるネギの行動。納得は出来るが普段のネギを見ていると、とてもそういうことをしそうには見えなかった。

「ふむ、流石はナギの息子といった所……と、言いたい所じゃが――」

学園長も内心は驚きつつ、ふと疑問に感じたことを考える。ネギのあの行動、誰かに指図されたように感じられたのだ。それに――

「ネギ君が出したあれは、茶々丸君と同類と見て良さそうじゃが――」

「あんなものを一体どこで……」

学園長の疑問を高畑も感じていたらしく、そのことを考える。そこで思い至るのは……

「これはネギ君の周りのことを調べる必要がありそうじゃの」

ネギの背後に誰かがいる。それが自分達の思惑の妨げになるのでは? そう考えてしまう。故に学園長はネギの周りを調べることにしたのだが……それが時すでに遅いことには、まだ気付いてはいなかった。

「レックスさんの行動は予想はしていましたが……ま、喜ぶべきことなんでしょうかねぇ?」

麻帆良の高い建物の屋根の上で、シンジはそんなことを呟く。レックスの行動は人らしく成長した……と、見るべきなんだろうかと考えつつ。

「で、これからどうするつもりなのかしら?」

「学園側も今回のことで動くでしょう。いや、動かざるをえない。そうなれば、こちらとしてもやりやすくなりますよ」

いつの間にやら、横でスキマから上半身を出す紫にそう答える。普段は見せない、非常に冷めた表情で街中を見つめながら。

「そう……それでネギちゃんの行動もあなたの予想の範疇かしら?」

「そこまでは流石にね。エヴァンジェリンさんの調査はあまりしてなかったので、ああいう行動に出るとは思いませんでしたが……逆にやりやすくなりましたよ。今回はネギ君に感謝といったところでしょうか?」

くすくすと笑う紫に、打って変わって楽しそうに答える。そう、感謝……エヴァンジェリンがああいう行動に出たので、手を出しやすくなったのだ。ただ、このまま手を出すには少々無理がありすぎる。手を出すならば、その理由が無ければならない。

「エヴァンジェリンさんには少々踊ってもらいますか……何でも知っているつもりのようですが、私から見たら井戸の中の蛙と一緒ですよ」

「あら、怖い」

楽しそうに話すシンジに、紫も楽しそうに笑みを浮かべた。かくして、桜通りの吸血鬼は混迷の道へと迷い込んでしまったことに……今はまだ、気付かずにいた。



あとがき

DRT:というわけで、始まりましたエヴァ編。
シンジ:なんか途中みたいだけど、もしかして前後編か?
DRT:まね。で、次回は君の登場だよ。がんばってね。
シンジ:プロットみたけど、俺悪役になってねぇか? これ?
DRT:元々、そんなもんじゃん。
シンジ:あのな……
DRT:というわけで、次回はシンジ君が本格的に動き出します。どうなる、麻帆良!?
シンジ:だから、それじゃ俺が悪役みたいだから、やめれ!?
DRT:え〜、いいじゃん?
シンジ:おまいな……


バック  ネクスト
書棚
風俗 デリヘル SMクラブ