「麻帆良……ですか。土地的には悪くは無いのですがね」

麻帆良で高い建物の屋根の上で、シンジは1人街並みを眺めていた。いたのだが――

「しかしながら、結界任せの危機管理状態なんでしょうかね? あっさりと入れましたよ」

なんか物騒なことを呟いてたりするが。でも、疑問もあったようでなぜか首をかしげていた。

「でも、妙な結界ですね。進入警報は当然でしょうが、軽い認識障害なんてどうしてあるんでしょうかね? それに特定の相手の力を押さえつけるものもあるようですし……どうにも、妙なところですねぇ〜」

ふと、そんな感想を呟く。しかし、呟きとは裏腹にその表情はどこか険しい。設置された結界が妙なのもあるが、その結界から物語られるのは危険物があるということ。それがどこにあるかはわからないが、危険物がある場所に人々を住まわせていいのだろうか? ふと、そんな疑問が出てくる。

「まったく……後回しにしたのがこんな裏目に出るとは思いませんでしたね。まぁ、私もまだまだと言ったところでしょうか」

そんな自己採点をしつつ、街並みに再び視線を向ける。ただ、その視線は憂鬱そうではあったが。

「さてと、まずはここでの足場固めから始めますか。はてさて、いい人がいればいいのですが……」

そんなことを呟きながら、シンジはその場から飛び降りたのだった。麻帆良はまだ、彼の黒き勇者がこの地に立ったことに、気付くことは無い。



episode :01 『麻帆良』




さて、ネギとアーニャはどうしてるかといえば、満員電車の中で揺られていた。ネギは若干、顔を紅くしていたりするんだが。

「あうう……」

「あ〜……まぁ、あんまり気にしないようにしなさいね」

満員電車ゆえに女子学生達とほぼ密着に近い状態のネギは、電車に揺られることで体同士が触れ合ってしまい、それが元で女子学生達に笑われていた。
アーニャはといえば、困ったように呟くだけだったが。それはともかく、正史であったようなくしゃみで魔力暴走は起きず、普通に到着した。というか一時期それが問題となり、シンジが魔力制御を基礎から徹底したおかげで、くしゃみをして魔力暴走が起きないようになった。ただし、たまにやってしまうことがあるのだが……

『次は、麻帆良学園中央駅――』
「あ、次の駅ね。ほら、準備なさい」

「うん、そうだね」

聞こえてきたアナウンスにネギはアーニャに言われながら降りる準備をした。しばらくして停車した列車から降り、駅から出ると見えてきたのは多くの学生が慌てた様子で駆け出す所であった。聞こえてくるアナウンスから察するに、始業時間が迫っているようである。

「どうしようか? 確か、迎えが来るって聞いてたけど?」

「でも、それらしい人は見かけませんぜ?」

アーニャの問い掛けに、ネギの懐の中にいたカモが顔を出しつつ答えた。確かに迎えが来ることは聞いていたが、それらしい人物は見当たらない。

「ん〜……初日から遅刻はまずくないかな?」

〈連絡すればいいだろう。迎えの者達は、なんらかのトラブルで遅れているのかもしれないからな〉

悩むネギに対し、レックスはそう答えた。確かに遅れるのは問題だが、相手側に落ち度がある場合なら、ある程度大目に見てくれる可能性もある。なので、連絡さえしておけば大丈夫だろうという考えからの答えであった。

「そうだね。それじゃ……あれ?」

「ん? どうしたの?」

その考えに納得したところで何かに気付いたネギにアーニャが声を掛けた。ネギが気付いたもの。それはこちらに向かって――多分、駅に向かってだろうが――走ってくる2人の女子学生の姿だった。

少し時間は遡り、2人の女子学生――神楽坂明日菜と近衛木乃香は駅に向かって走っている最中であった。木乃香――このかの祖父であり、この麻帆良学園の学園長である近衛近右衛門から、今日来るという新任教師の迎えをこのかが頼まれていたからだ。明日菜――アスナはその付き添いである。もっとも、その事を2人ともつい忘れてしまい、普通に登校しようとした所で思い出し、慌てて向かうハメになったが。

「え〜と、次は逆立ちして開脚した上、全力疾走50mして、ニャーと鳴く――」
「やらねぇ!!」

なんて事を言い出すこのかにアスナは怒鳴っていたりする。ちなみについ先程、このかが嘘のおまじないをアスナは戸惑いも無く実行し、からかわれたと知って怒ったばかりだが。そんな時だった。そんな2人にネギが近付いていき――

「あの――」

それを口にしようとして、ネギはあることを思い出す。

「初対面の人には時と場合にもよりますが、挨拶はきちんとしましょう。決して、失礼なことや傷付けるようなことを言ってはいけませんよ」

と、シンジに教えられていたことを。

(失恋の相が出てるなんて言ったら、傷付いちゃうよね)

なにやら占いのことを話していたようなので、親切心からアスナから見えた相を話そうとして、それに気付いて言い止まった。もっとも、実際には傷付くどころか、かなり激怒するのだが。まぁ、初対面の人間にいきなりそんなこと言われたら、大抵は戸惑うか怒るかのどちらかだろう。

「どうしたのよ?」

「え? あ、その……麻帆良学園の学園長はどこにいるんでしょうか? 今日、そちらに向かうことになってたんですけど――」

「え? おじいちゃんに?」

その様子に不審がるアスナに、ネギは慌てて切り返した。実際に学園長とは会わなければならないので、嘘でも無いのだが。逆にこのかは首を傾げていた。実は今日来るという新任教師の容姿に関して、ほとんど何も聞いていないのである。
こちらに向かう途中、アスナが学園長(じじい)の友人なら、そいつもじじいだという憶測が出たほど情報を持っていなかったのだ。たぶん、自分(学園長)の友人の紹介で新任教師が来ると話したのかもしれないが、なぜかそんな形に変換されてしまっていたりする。
それはそうとして、初対面の人間を探すのにその情報が無いというのも問題である。たぶん、学園長が忘れたのかもしれない。もしくはわざとか……

「な、なんであんたが学園長の所へ行くのよ?」

戸惑うアスナ。こんなガキが学園長に何の用事があるというのか? という内心からだったが……

「用事があるからに決まってるでしょ? ネギは新任の教師だし、私は転校することになってるしね」
「へ?」 「え?」

こちらにやってきたアーニャの言葉に、アスナとこのかは戸惑いと驚きが入り混じった表情で声を漏らしてしまう。アーニャの転校生というのは、まだわからなくもない。実際、アーニャは自分達と同じ制服を着ているのだし。でも、ネギが新任の教師というのは驚き以外の何者でもない。明らかに自分達より年下の子供が教師というのは、常識外れもいい所だった。

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!? こ、こんなガキが教師って、どういうことよ!?」

「あ〜……まぁ、色々とあってね……詳しく話すと長くなるんだけど……」

子供が教師をやるという理不尽さもあるが、正史ではガキが嫌いと豪語していたアスナが怒り出す。その一方でアーニャはどう答えたらいいかと悩んでいた。怒鳴られたことに対して多少は怒りを感じたものの、魔法の存在を明かすわけにはいかず、どうしたものかと考えた時――

「いや、いいんだよ、アスナ君!!」

そんな大きな声が聞こえ、全員がそこへと振り返った。そこに居たのは建物の中からこちらをうかがう1人の初老の男性だった。

「おはよ〜ございま〜す」

「た、高畑先生!? お、おはよーござい――」
「久しぶり、タカミチ」 「お久しぶりですね。迎えはタカミチなの?」

このかが挨拶する横で、アスナは恥ずかしながらに挨拶しようとした所で、ネギとアーニャがそんな挨拶をしていた。なお、ここでのネギは正史ほどタカミチを尊敬していたりはしない。なまじ、シンジという存在が大きかった為(色んな意味でだが)、当然なのかもしれない。

「え!? 知り合い!?」

「麻帆良学園へようこそ。いい所でしょう? ネギ先生?」

そんな2人の挨拶に驚くアスナをよそに、アスナに高畑先生と呼ばれた初老の男性はにこやかに声を掛けてきた。

「そ、それじゃあ、ホンマになん?」

「はい、この度この学校で英語の教師をやることになりました、ネギ・スプリングフィールドです」
「え、ええぇぇぇぇぇぇ!!?」

このかの疑問に答えるようにおじぎをしながら挨拶をするネギだったが、アスナはその事実に驚き――

「ちょ、ちょっと待ってよ!? 先生って、本当に!? あんたみたいなガキンチョが!?」

「いや、その……色々とあって……」

「気持ちはわかるわ……私もなんでって、思ったしね」

激怒した様子でつかみかかるアスナにネギは困惑し、アーニャも頭を抱えながら素直な気持ちを漏らす。正史のアーニャならすでに怒っていたのだろうが、ここでもシンジの教育(躾?)のおかげか、なんとかそれには耐えている。

「後、今日から僕に変わって、君達A組の担任になってくれるそうだよ」

「え? ちょっと待ってください! 担任って、どういうことですか!?」

こんな時に高畑は爆弾を投下した。それに慌て出したのはネギである。教師をやるのは聞いてはいたが、担任をやるというのは今ここで初めて聞いたからだ。

「どういうことよぉ〜!?」
「ぼ、僕にもわかりませんよ〜!?」

すでに憤怒の様子のアスナは襟首を締め上げるようにネギを持ち上げる。ネギはといえば、あまりの事態に混乱していた。そんなカオスなのに、高畑は止める様子は無い。このかも子供が先生になった挙句に、自分達の担任という事実に呆然としていて、2人の様子に気付いていない。

「ちょっと、あなた。いい加減に――」
〈君、やめないか! 子供をいじめるような真似はみっともないと思わないのか? そこのあなたも言うだけ言っておいて、なぜ止めようとはしない!〉

「だ、誰!?」 「あう!?」

見かねたアーニャが止めようとした時、レックスが大声で叫ぶ。レックスとしても、このような状況に耐えられなかったのである。というか、レイジングハートが攻撃準備を始めたので、止めようと思ったのが主な理由であったが……
一方で聞き覚えの無い声がいきなり聞こえたことにアスナは慌てて辺りを見渡し、ネギを落としてしまう。高畑も同じように辺りを見回すが、声を掛けたと思しき人物は見当たらなかった。

〈大丈夫か? ネギ?〉

〈あ、うん……ありがとう、レックス〉

念話でお礼を言うネギ。ちなみにだが、レックスはレイジングハートを介しての念話である。カテゴリーとしてはデバイスに分類されるものの、あくまでも電子戦のみであり、魔法に関するものはまったく使えないのだ。

「だ、誰よ?」

「誰って……何かあったの?」

「何って、さっき声が――」
「まぁまぁ、アスナ君も落ち着いて……とりあえず、学園長の所に行こう。詳しいことはそこで、ね?」

先程の声の主を探そうとするアスナに、アーニャはとぼけるような形で問い掛けた。レックスの存在は出来るだけ秘密に。と、シンジに言われているからである。高畑も先程の声のことが気に掛かるものの、それらしい人物が周囲に見当たらないこと、それに言われてから自分の落ち度に気付き、アスナを落ち着かせることを優先することにした。
とまぁ一波乱あったが、ネギ達はなんとか学園長室に向かうこととなったのだが――

「学園長先生!! 一体、どういうことなんですか!?」

「まぁまぁ、アスナちゃんや」

所変わって、ここ学園長室に4人はいた。ちなみに高畑は仕事の都合で、この場にはいない。で、学園長と呼ばれたなぜか頭が長い仙人みたいな老人が、未だ怒り冷め遣らぬアスナをなだめ――

「なるほど、修行のために日本で学校の先生を……そりゃまた、大変な課題をもろうたの〜」

説明を求められたのにあっさりと無視する形で、学園長は労いの声をネギに掛けた。本当は知ってるくせに、それを欠片も見せない。なかなかに喰えないじいさんである。

「は、はい……よろしくお願いします」

ネギはそれには気付かず言葉を返す一方で、自分が無視されて苛立つアスナであったが、このかと同様に2人の会話の意味がわからず、訝しげな顔をしていた。

「しかし、まずは教育実習ということになるかのぉ。今日から3月までじゃ……」

「は、はぁ……」

「ところでネギ君には彼女はおるのか? どーじゃな? うちの孫娘このかなぞ」

「ややわ、じいちゃん」

気の無い返事をするネギに学園長はそんなことを言い出す。このかは笑いながらトンカチ(明らかに鈍器)でツッコミを入れた。同時に聞こえてくる鈍い音。直後、学園長の頭から血が流れ出す。明らかに致命傷にも見えなくもない傷なのだが、見た目ほど大したこと無いのか平気な顔をしている。
そんな学園長をアーニャは睨んでいた。明らかな無視。なので、怒りを覚えないわけではないが……睨む顔はどちらかと言えば、呆れるような感じに見えた。

「ちょっと待ってください! だ、大体子供が先生なんておかしいじゃないですか! しかも、うちの担任なんて……」

困惑した様子でアスナは問い詰める。彼女がここまで必死なのは高畑に起因していた。早い話、彼女は高畑に惚れているのである。なのに、その高畑から得体の知れない子供に担任が代わるという事実を認められず、こうして抗議しているのだが――

「ネギ君、この修行はおそらく大変じゃぞ。ダメだったら故郷に帰らねばならん。二度とチャンスは無いが、その覚悟はあるのじゃな?」

「は、はい。やります」

(何を言うかと思えば……)

学園長の問いに、ネギは姿勢を正して答えるが……一方でレックスは怒りを感じていた。大変なことにしてるのはお前じゃないか! というのが、レックスの本音である。というか、声を大にして言いたいのだが、先程と違って声を出すのはまずい為、我慢しなければなからなかったが。
また、アスナはイライラしながら様子を見ていた。説明を求めても無視され続けたのだ。当たり前とも言える。このかは変わった様子は無く立っていたが、アーニャもアスナと似た状態だった。自分も一応修行の為に来たのに、声すら掛けてもらえない。この差はなんなのか? 理由はわかってはいるが、理不尽さに苛立ちを抑え切れなかった。

「うむ、わかった! では、今日から早速やってもらおうかの。指導教員のしずな先生を紹介しよう。しずな君」

「はい」

そんなアスナとアーニャの様子を知ってか知らずか、変わらぬ様子の学園長は女性を呼び寄せ、その女性は学園長室へと入ってきた。

「源しずなです。よろしくね」

「あ、はい」

「わからないことがあったら、彼女に聞くといい」

しずかと呼ばれた女性にネギが頭を下げる中、学園長はそう言い――

「そうそう、もう1つ。このか、アスナちゃん。しばらくはネギ君をお前達の部屋に泊めてもらえんかの?」

「まだ住む所が決まっとらんのじゃよ」と、とんでもねぇ発言をしなさる学園長。

「げ……」 「え”……」 「はぁ!?」

(本気で何を考えているんだ……この人は……)

(レックス、撃ってもいでしょうか?)

(落ち着け、レイジングハート。気持ちはわからなくもないが……)

その発言にネギとアスナ呆然と声を漏らし、アーニャは信じられないようなもの見たような顔となり、レックスは通信でレイジングハートをなだめつつ、自分の怒りを何とかこらえていた。
ついでに言うとこれは明らかに職務怠慢である。ネギが来ることが決まったのは昨日今日では無い。 確かにネギ自身の手配も必要なのだろうが、学園サイドではネギが来るのはずっと前からわかっていたことなのだ。なので、そういった手配はすでに終えていないとおかしい。
むろん、同居というのはある意味当然の配慮だろう。一応、シンジやネカネから生活に関することは一通り教わっているとはいえ、ネギはまだ10歳の子供だ。当然、1人暮らしをするにはいささか障害も多すぎる。なので、食事が提供される寮に住むか、ホームステイというような形で大人と同居するというのもわからなくはない。
ないのだが……いくら10歳の子供とはいえ、ネギは”男の子”なのだ。そんなネギが女子寮……しかも、女子中学生と同居する。問題が無いはずが無い。というか、問題だらけであるが。ただ、学園長としても思い付きでアスナ達とネギを同居させようとしているわけではない。
かつて正史でも後にわかったことだが、アスナには魔法無効化能力というのがある。ネギが麻帆良に来たのは修行のためでもあるが、安全に修行出来るようにでもあった。そのためには、ネギの存在を可能な限り勘付かれないようにしなければならない。そのためにアスナと同居させることにしたのだ。アスナの魔法無効化能力はネギが持つ膨大な魔力を隠すことも出来るからだ。
なのだが……アスナとネギにそれを知られないためとはいえ、もうちょっとマシな理由に出来なかったものだろうか……

「そんな……何から何まで……学園長!!」

「まぁまぁ。おっと、アンナ君には申し訳無いのじゃが、部屋に1人だけということになってしまうのじゃ。いいじゃろうか?」

「え? ああ、私は別に……なんでしたら、ネギと同居でも構いませんけど? 幼馴染ですから、知らない仲じゃないですし」

興奮するアスナをなだめつつ、学園長はアーニャにそんなことを言い出す。アーニャもやっとかと思いつつ、このかとアスナがなにやら言い合っている横でそんな提案をしてみた。それにアスナは「そうですよ! それがいいです!」と言い出し、学園長は「むぅ〜」と唸りながら悩んでいた。無論、アーニャはその方がいいだろうと思っての発言である。ただ、学園長としてはネギにはアスナと一緒に居てもらいたいという思いがある。

「そうじゃの……それはおいおい考えよう。では、ネギ君、アンナ君。がんばってくれたまえ」

「は、はい」 「はい」

別な方法を考える必要がある。学園長はそう判断し、ひとまずこの話はおしまいとネギとアーニャに声を掛けた。このまま話し合っても、下手をすれば話をこじらせてしまうと考えたようだ。2人はそれに返事をする中、アスナはイライラとした様子でそれを見ていた。

で、しずなを含めた5人は現在廊下を歩いていたのだが……アスナだけは不機嫌そうにしていた。

「あ、あの……」

そんなアスナが気になったのか、ネギが声を掛けたのだが――

「あんたなんかと一緒に暮らすなんてお断りよ! じゃあ私、先に行きますから!」

「あ、アスナ〜。それはひどいんちゃう?」

「ふん!」

と、怒った様子で行ってしまうアスナ。このかもなだめながら、その後を追っていった。

「なんなのよ、あいつ……」

「うふふ……あの子はいつも元気だからね。でも、いい子よ」

不満顔のアーニャにしずなはそう答えるのだが、微妙にフォローになってない。一方で困ったのがネギである。正史とは違い、ネギはアスナに何かしたわけではない。確かに非常識だらけのことなのだが、それもネギにしてみれば巻き込まれたようなものである。
アスナがガキが嫌いだからといっても、ここまで嫌う理由はただ1つ。高畑を取られたという感情からである。それはアスナの勘違いなのだが、今の彼女にそれを理解しようとはしないだろう。

「はい、クラス名簿」

「あ、どうも」

「それより、授業の方は大丈夫なの? ネギ君」

「あはは……さ、流石に緊張してきました」
クラス名簿を渡すしずなに、ネギは苦笑交じりに答えるが……実はさほど緊張はしていない。まぁ、某マイペースな人に鍛えられたようなものだし。ふと、窓から教室の中を見てみる。そこでは女子生徒が思い思いのことをしているのが見える。
これが僕が教えることになる人達……そう思ってから、クラス名簿に目を通してみる。そこには先程のアスナやこのかも含まれた女子生徒達の顔写真があり――

「あれ? 真名さん?」

その人物を見つけた。龍宮真名。以前、シンジに連れられた場所で出会った少女である。というか、シンジが助けたといった方が早いだろうが。何しろ、連れられた場所が紛争地帯で、そこで真名は敵対組織に囲まれ、下手すると慰み者になっていたかもしれないという……そいつらはシンジによって殲滅(誤字にあらず)され、真名はそんなシンジに……なんていう、エピソードがあったりするけど。

「知り合い?」

「え? ええ……ちょっと昔に……」

「そういや、学生してるって言ってたっけ」

しずなの問いかけに、ネギは引き攣った顔で答えた。まぁ、下手に答えるのは問題が多々あったし。その横ではアーニャが思い出したように呟いてたけど。それはそれとして、クラス名簿に再び目を通して……それに気付いた。

(エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル? 確か、真祖の吸血鬼の名前じゃなかったっけ?)

小柄ながらも強気な印象が強い少女の顔写真。それだけなら、気にも止めないが……名前があの闇の福音と呼ばれし真祖の吸血鬼ともなれば違ってくる。
なお、正史でネギはなぜエヴァンジェリンの名前を知らなかったのか? 他SSではネギに対して情報制限されていたのでは? という説もあるが……原作8巻でのネギの過去を見る限りでは魔法の蒐集などにあけくれ、そういった話に興味を示さなかった節が見られる。すなわち、ネギは魔法使いにとって知っていて当然の話を知らなかっただけの可能性が高いのである。というか、原作のネギは魔法使いの常識を知らないことが多かったりするけど。

〈う〜ん、前に見た手配書とは顔が違うけど……レックス、シンジさんに調べてもらった方がいいかな?〉

〈確かに名前が似ているというのが気になるな。私からシンジに連絡をしておこう〉

念話でレックスとそんな会話をした後、まずはやるだけやってみようとか考え、意を決して教室のドアを開けようとして――

〈マスター。ドアの上に黒板消しがあります。また、ドアを入ってすぐの足元にロープが張られ、それに掛かると連動しておもちゃの矢、水の入ったバケツといった罠が発動されるようになっております。おそらく、誰かのいらずらでしょう〉

レイジングハートから念話ごしにそんな警告が入ってくる。その警告にネギはドアの上と下を見てみた。確かにドアがわずかに開いており、上の方は挟めるようにして黒板消しが仕掛けられているのが見え、下の方ではロープが確かに見える。黒板消しに気を取られてると足元のロープに足を引っ掛け、本当の罠が発動するという二段構え。罠としては常套手段ではあるが、一般人には凶悪な仕掛けである。

(ありがとう、レイジングハート)

レイジングハートに念話でお礼を言ってから、ネギはまずドアを開けて黒板消しを落とし、それを拾おうとしてロープに気付き(ふりだが)、またぐようにしてロープをかわし、壇上へと上がっていった。 途端に騒がしくなる女子生徒達。罠を仕掛けた某3名は舌打ちをするのだが、ネギの姿を見て同じく騒がしくなる。思いは1つ。なんで子供がここに? である。

「え? あっと……君は?」

「あ、初めまして。今日からこの学校で英語を教えることになりました、ネギ・スプリングフィールドです。3学期の間だけですけど、よろしくお願いいたします。後、ああいういたずらはやめてくださいね。気付けたからいいですけど、引っ掛かったら痛いですし」

「へ? あの……えっと……マジ?」

「本当よ。それとあなた達の担任も担当されるから、みなさんよろしくね」

女子生徒の1人、釘宮円の疑問に答えるようにネギは自己紹介し、それを疑う早乙女ハルナの疑問にしずなが答えると――

『きゃあああぁぁぁぁ!!? かわいいぃぃぃ!!?』

途端に女子生徒達ははしゃぎだし、ネギを囲んで……というか、抱きついてあれこれ聞き始めたりする。

「本当に……本当なんですか?」

「ええ、本当よ」

その輪に入らずにしずなに問い掛ける長谷川千雨だが、返ってきた言葉に頭痛を感じたのか、額に指を当てていたりする。

「ネギ君はちゃんと教師の資格を持ってるけど、見ての通りあなた達より年下よ。お手柔らかにね」

『ハーイ!』

とまぁ、ほぼ正史通りのやりとりがあったりする。一方でアスナは自分の席で面白くなさそうに見ていた。正史ではネギが張っていた魔力障壁によって黒板消しが受け止められる所を見たので怪しんでいたが、ここではそういう怪しい素振りはなかった。ロープだって、黒板消しを拾った時に見ていたのをアスナも見ているので、怪しむ理由にはならない。
結局は面白くないと不機嫌そうにネギを睨むだけだった。一方で龍宮真名は静かにネギを見ていたりする。

(ネギ君が居るということは、あの人もここに?)

と、まさにその通りのことを考えていたりするけど。

「えっと、あの……それと今日は転校生もいますので……あのみなさんは席に戻ってくださ〜い!」

そのことを思い出したネギは、女子生徒達に抱きつかれながらも、なんとかそのことを告げた。それを聞いた女子生徒達は『は〜い!』と挨拶をしながら、それぞれの席へと戻り、全員が席に戻ったのを確認したネギは一度咳払いをし――

「それじゃあ、入ってきてください」

ネギに言われて、罠が解除されたドアから入ってくるのはアーニャである。そんな彼女を見て、騒がしくなる教室。

「今日から、この学校に転向してきました、アンナ・ユーリエウナ・ココロウェです。親しい人達からはアーニャと呼ばれてます。そっちの方で呼ばれ慣れてるので、遠慮なくアーニャと呼んでくださいね」

笑顔を交えての自己紹介。それに女子生徒達はまたも騒ぎ出し、ネギとアーニャを囲んで質問大会が始まったのだった。



「そうですか……まったく、本気で何考えてるんでしょうか……」

一方、麻帆良の一画にあるオープン喫茶でコーヒーを嗜むシンジは、携帯を越しの会話にため息を漏らしていた。通話相手はレックスで、先程までネギにあったことを報告を聞いていたのだが……

「なんにしても、エヴァンジェリンさんですか。そちらは私の方で調べておきましょう。それと真名さんがここにいらっしゃるとは……確か傭兵とおっしゃってましたね。ネギ君の手助け、お願いしてみますか……他には?」

〈絡繰茶々丸という女子生徒がいるが、彼女は明らかにガイノイドだ。それに彼女はどうにもネギを監視しているふしがある。他にも数名似たように見ている者がいる。後は神楽坂明日菜がネギを敵視している。それが気になってな〉

「なるほど……わかりました。茶々丸さんらの方は、何かありましたら連絡を入れてください。こちらでも調べて見ますので。では、引き続きお願いいたします」

報告を聞いて通話を切るシンジだが……コーヒーを一飲みしてから、また深いため息が漏れていた。

「はぁ……子供に教師をさせるってだけでも問題あるのに、担任までとは……学園長という人は本気で何考えてるんでしょうか……しかしこれだと、私が表舞台に立った方が良さそうですね。さて、どうやって……おや?」

考え始めるシンジだったが、ふとあるものへと目が止まった。それはこちらへと歩いてくる女性の姿……確か、葛葉刀子じゃなかったか? と思い出す。数年前に刀子は離婚してしまい、その悲しみを忘れようと麻帆良の外で1人静かに飲んでいたのだが……シンジはそこで出会ったのである。もっとも、その時は軽く話した程度。労いの言葉を掛けたくらいだが、その時の刀子の様子が印象的で覚えていたのだ。

「ふむ、彼女のような人を利用するのは気が引けますが……ま、お互い様ですかね」

などと言いつつ、シンジは立ち上がり――

「もしかして、刀子さんじゃありませんか?」
「え?」

刀子に声を掛けた。声を掛けられた方は一瞬誰かわからなかったが、しばらくして相手がシンジだと気付いた。まぁ、あの穏やかすぎる雰囲気が印象深かったので覚えていたのだが。

「シンジさん……ですか?」

「ええ、そうです。いやいや、まさかこんな所で会えるとは思いませんでしたよ」

「え、ええ……こちらには何か御用で?」

「仕事の関係で下見です。刀子さんもお仕事で?」

「私はこの麻帆良で教師をしておりますから――」

と、刀子は若干戸惑いながらもシンジと他愛の無い話を続け――

「あ、すみません。私、まだ仕事がありますので……」

「これは申し訳ありません。では、また縁がありましたら」

「ええ、では……」

頭を下げてから去っていく刀子。シンジはそれを手を振りながら、見送り――

「ええ……またお会いいたしましょう。今日の夜頃にでも」

なんか、意味ありげなことを漏らすのだった。

後日、刀子は夜にシンジとまた再会し、食事に誘われて戸惑うものの、結局は共にすることになり―― 数日後、同僚に恋人が出来たと嬉しそうな顔をすることになる。



現在、ネギはしずなの監修の元で授業中であった。黒板に書く際は届かないことがわかったので、椅子を踏み台にして書いている。なお、先程の質問大会でネギとアーニャが幼馴染であることが判明し、それで仲を怪しむ者達が出たが……アーニャは慌てた様子も無く、キッパリと否定した。彼女は気付いているのだ。ネギ自身が気付いていない想いに――
それはそれとして、授業内容としてはいたって普通である。最初は教科書の内容を理解させることに集中させた方が良いとシンジにアドバイスを受けてたので、教科書の内容を教えることに集中していたのだ。
そんなネギを睨みつけるのは、やはりというかアスナである。なんとか追い出せないかと物騒なことまで考え始めているし。だが、手出しはしなかった。正史とは違い、アスナから見るとネギは『ガキのくせに教師』という認識である。不思議な力を持っているという認識は今の所は無い。なので、授業の方はこれといったことも起こらず。普通に終わったのだが……

「ねぇねぇ。今日の授業、なんか普通すぎない?」

「うん。でも、あれでいいと思うな。子供なのに、落ち着いてたし」

佐々木まき絵の問い掛けに大河内アキラはどこか嬉しそうに答えた。まぁ、ネギが落ち着いて授業が出来たのは、シンジのおかげである。シンジによってあちこち連れ回されていたネギは、まずは落ち着いて周りを見ることを徹底されている。 流石に完璧とは程遠いものの、同年代の子に比べれば、比較的落ち着けるようになっていたのだ。まぁ、紛争地帯とかそういう所では、混乱してたら死ねる。というのを嫌というほど学ばされたわけなんだが……

「でもさぁ、委員長にはビックリしたよね」

「それはなんでですの?」

「だって、ネギ君を前にしてても普通だったじゃん」

明石裕奈の言葉に雪広あやかは訝しげに問い掛けるのだが、まき絵が意地悪そうな笑みを浮かべて答えていた。そう、あやかのショタコンはクラスの知る所なのだ。そんなあやかがネギを前にしても普通であったのは、他の女子生徒達には不思議だったのである。むろん、幼馴染みたいなもんなアスナもそれが気になっていたのだが……

「まったく、あなた達は……でもまぁ、なんと言いますでしょうか……ネギ先生を見てると、微笑ましいという感じがして……それくらいですわね」

と、あやかはさも当然と答えるのだった。女子生徒達もそうなんだぁ〜と、納得する者や怪しむ者がいたが……それには理由があることに、今はまだ誰も気付かなかったのだった。

「ああ、そうだ。アーニャちゃん、後でネギ先生を呼んでくれないかな?」

「いいけど、なんで?」

「うふふ。それはねぇ〜」

首をかしげるアーニャに、声を掛けたハルナは楽しそうに目的の事を話し始めるのであった。

一方、ネギはといえば疲れた様子で学園の敷地内を歩いていた。

「はぁ〜……聞いてはいたけど、先生って結構大変なんだね……」

〈大人でも疲れることなのだ。当然でもあるが……〉

「にしても、おかしなクラスだよなぁ〜。あの闇の福音と同じ名前の奴もいるし、なんか見てる目がおかしなのも何人かいたしな」

レックスがネギを労う中、カモは不思議そうにそんなことを漏らした。あえて表には出さなかったが、ネギは自分に向けられたいくつかの視線が監視するかのようなものであったのに気付いていた。まぁ、子供が教師をするのだから当然とも言えるが、人数まではわからないが数名の視線がただ監視しているようには思えなかった。こう、何かを推し量ってるような気がしてならないのだ。かといって、下手なことも言えないので耐えてはいたが……

「やぁ、ご苦労様。ネギ君」

そんな時であった。微笑を浮かべながらやってくる褐色の女性(少女?)、真名が手を上げながらやってきた。

「あ、真名さん。ビックリしましたよ。まさか、真名さんがいるとは思いませんでしたから」

「私は学園長から聞かされていたからね。ところで……シンジさんは?」

「旦那なら、足場固めをするって言ってたから、それで動き回ってんじゃねぇかな?」

ネギの問い掛けに答えた後、真名はなぜか照れた様子でそんなことを聞いてきたりする。それをカモが意地悪そうな笑みを含めて答えていた。真名がシンジに惚れているのは2人のことを知っている者達なら一目瞭然の事実である。ただ、真名の場合はシンジの本質の方となるが……それがなんなのかはいずれ話すことにしよう。

〈先程、君の事はシンジ殿にも話しておいた。その時に君に何かを頼むようなことを話していたので、いずれ会えると思う〉

「そ、そうか……それは楽しみだな」

レックスの言葉に嬉しそうになる真名。その様子は明らかに乙女のものだった。それを微笑ましそうに見ているネギ。その時だった。

「あれ? あの人は確か……宮崎のどかさん? あんなに本を持って危ない――」

山積みの本を両手で抱えながらよたよたと歩くのどかの姿を見て、ネギはそう思った……瞬間だった。

「レイジングハート! サポートお願い!」

〈了解〉

「待て、ネギ君!」

それを予感したネギはレイジングハートにサポートを頼みつつ動き出した。真名の制止も聞こえないままで。いわば勘だった。のどかさんが危ないという勘。ただ、それだけの理由で体が動いていた。シンジには戦闘面でも鍛えられている。なので、こういった勘なども鍛えられていたのだが――

「あっ!?」

その勘は当たってしまった。バランスを崩したのどかが、階段から落ちようとしていたのだ。

「間に合え!」

と、背負うように持っていた杖を両手に持つと同時に巻かれていた帯が解かれ、叫びと共に無詠唱で魔法が放たれる。魔法と言っても今回は魔力の層をのどかの真下に発生させるだけ。別にレイジングハートを使わずとも出来るが、ネギは確実に受け止める為にサポートをお願いしたのだ。 そして、狙い通りにのどかの体を魔力の層に受け止められ、落下の速度が緩まった。
その間にネギはシンジに教えられた方法での魔力による身体強化をフルに使い急いで駆けつけ、のどかを受け止めた。

「ふぅ〜……危なかったぁ〜。大丈夫ですか? のどかさん?」

「え? あ、その……あの、今のは――」

笑顔のネギに、のどかは顔を赤らめながらも混乱した様子で何かを聞こうとしていた。ネギが何らかの方法で自分を助けてくれた。気を失いそうな瞬間、何かの感触を感じたおかげでそれを免れた彼女は、どうやって自分を助けたのかを聞きたかったが、今の状態に混乱して言葉に出来なかった。
だって、今のどかはネギにお姫様抱っこされてたし。これにほっとしたのはネギであった。助けた後に自分のしたことに気付いて、どうしようかと悩んだ。でも、今ののどかを見てると混乱しているようなので、なんとか誤魔化せるかも……そう思った。この時までは……

ドサ――
「え?」

不意に上の方で何かが落ちる音が聞こえる。その音に思わず顔を上げてみると……そこにはなにやら震えたようにこちらを見る、綾瀬夕映の姿があった。で、今度は気配を感じて、そちらに顔を向けると……買い物袋を持ちながら顔を引き攣らせているアスナとポカンとこちらを見るこのかの姿が……

「ええと……もしかして、見てました?」

「ああ……だから、待てと言ったんだが……」

今の状況に顔を引き攣らせるネギに、真名はやれやれといった様子で答える。のどかは危なかった。それは事実だ。何しろ高さは結構あったし、下は石畳だ。良くて重傷。悪ければ後遺症が残るかもしれないし、下手をすれば死もありえた。故にネギが助けたのは間違いではない。ただ、タイミングが悪かっただけである。
それに鍛えられてはいるものの、まだ未熟であるのも事実である。故に夕映、アスナ、のどかのことに気付かずにいたのだ。

「あ、あんた……」 「ね、ネギ君。今のは?」

「あの、どうしましょう……」

「私に聞かれてもね」

震えるアスナと未だに呆けてるのどかの姿を見て、思わず問い掛けてしまうネギ。もっとも、聞かれたらしい真名は肩をすくめるだけだったが。

〈とりあえず、事情を話してはどうだ? それから、後のことを決めてもいいだろう〉

「え? 誰?」

仕方が無いとばかりにレックスがそんなことを言い出す。といっても、見た目にはここにはいないはずの人の声が聞こえてきたので、アスナは戸惑いがちに辺りを見回していたが。

「その方が良さそうだな。ま、場所は移した方がいいだろう。ネギ君はそろそろ彼女を下ろしたらどうだい?」

「あ、そうですね。すいません、いつまでも抱えちゃって……」

「い、いえ……そんなことは……」

真名に指摘されてネギはのどかを下ろすのだが、のどかはといえば恥ずかしそうに見えて、どこか残念そうにも見えた。とりあえず、落ちた本を拾い直してから全員は林の中へと入っていき、中にあった休憩所で本を置いてから、ベンチに座る。その際、のどかはネギの横に座っていたりするが。

「ところで……さっきの声は誰なのよ?」

「ああ、そうでしたね。紹介します」

アスナに言われてネギはレックスを取り出したが、真名以外の4人は首をかしげた。まぁ、見た目は携帯にしか見えないからなんだが――

〈は!〉
「へ!?」 「え?」 「な!?」 「きゃ!?」


変形し、ネギの横に立つレックスの姿を見て、驚く4人。このかは驚いたというよりは、呆然としていたという感じであったが。

〈私の名はレックス。ネギのサポートをするために造られた。よろしく頼む〉

「オレっちはアルベール・カモミール。カモって呼んでくれ」

と、レックスとカモは自己紹介をするのだが……アスナ達4人は目をまん丸にひん剥いて凝視している。まぁ、携帯に手足が生え、人間と変わらない動作で会話したりとか、カモのような小動物がこれまた流暢に話す所を見れば……普通はこんな反応をしてしまうだろう。

「な、何これ……なんなの!?」

「携帯に手足があって動いてます。それにフェレットがしゃべってます。私は夢でも見てるのでしょうか?」

「いや、オレっちはオコジョなんだけどな」

あまりのことに騒ぎ出すアスナの横で、夕映はそんな現実逃避をしていた。その言葉に思わず汗を浮かべるカモがどうでもいい事を訂正していたが。

「これって、どういうことなんですか?」

「まずは落ち着いて聞いてください。僕は――」

のどかに問われ、ネギは自分が魔法使いの見習いであること。魔法使いのこと。魔法のことは秘密にしなければならないこと。この麻帆良には修行の為に来たこと。修行でなぜか先生をすることになったことなどを話した。

「なんで、魔法使いの修行で先生をすることになったん?」

「さぁ……それは僕にもわからなくて……担任をするというのも、ここへ来てから知りましたし……」

このかの問いに、ネギは困ったように頭を掻きながら答えた。まぁ、学園長はアスナと一緒にさせるために教師にしただけでなく、担任にもしてしまったのだが。今のネギにそれを知る術は無かった。

「それはそうと、ネギ先生が魔法使いの見習いということは……レックスさんは魔法によって造られたのですか?」

〈それは違う。確かに魔法に関わる技術も使われていないわけではないが、それ以外は純粋な科学技術で造られている〉

 その考えに思い至った夕映だが、レックスがそれを否定した。ちなみに魔法に関わる技術とは電子頭脳、つまりAIである。ただし、魔法と言ってもネギ達が使うものではなく、なのは達の魔法のことだ。ミッドチルダで使われているデバイス。そのどれもがAIを搭載している。 そして、そのデバイスのほとんどが手で持てるほどの大きさでなのだ。そんな大きさに搭載されるのだから、AIも当然それに見合った物でなければならない。故にレックスのような携帯サイズに搭載出来るAIもあるのだ。もっとも、レックスとネギが持つレイジングハートのAIは、シンジの特製の物だったりするけど。

「はぁ……それで私達にどうして欲しいの?」

「なに、このことを秘密にして欲しいだけさ。下手に大勢にバラされると、ネギ君はオコジョにされて強制送還。しかも、正式な魔法使いになることは永遠に出来なくなる」

「それは……て、そういうことを知ってるってことは、真名さんも魔法使いなの?」

「いや、私自身は魔法使いじゃない。とある理由で魔法使いのことを知ってるってだけでね」

今頃になってそのことに気付いたアスナだが、真名はそれを否定した。まぁ、詳しく言えばややこしくなるのは目に見えていたので、それ以上の事を言うつもりは無かったが。

「わかりました……私、このことは誰にも言いません」

「確かに……のどかを助けてくれた人に恩を仇で返すような真似は、私としても望む所ではありません」

「そやなぁ……わかった。うちもこのことは誰にも言わんでおくわ」

「みなさん。ありがとうございます」

のどか達3人の言葉に、ネギは頭を下げて感謝した。それを気まずそうに見ていたのはアスナである。ネギが気に喰わないのは相変わらずだが、かといってクラスメートを助けてくれたのも事実だ。それに高畑以外のことで、自分に何かをしたわけではないのだし……

「はぁ……わかったわよ。納得したわけじゃないけど、のどかちゃんを助けてくれたしね。そのお礼ってことにしておくわ」

「素直じゃないなぁ〜。アスナは」

そっぽ向きながらもそう言い放つアスナに、のどかは笑みを向けていた。

〈それはそうと。ネギのこともそうだが、私やカモのことも秘密にして欲しい。色々と厄介なことになりかねないからな〉

「確かに。レックスさんもカモさんも、知られたらただじゃ済みそうではないですし」

レックスが思い出したかのようにそう頼むのだが、夕映はそれに納得していた。カモの場合は喋る小動物として注目を浴びそうだが、もしかすると関わり合いたくない所にまで注目を浴びかねないし、下手をすれば魔法の存在を明かすことにもなりかねない。なお、関わり合いたくない所というのは、研究とかそういうのをやっている所である。
レックスの場合はもっと厄介である。なにしろ、オーバーテクノロジーの宝庫なのだ。その手の物を欲しがる連中に狙われかねない。下手をすれば、ネギや周りの人達に危害が及ばないとも限らないのだ。ま、そうなったらそうなったで、シンジがどうにかしてしまいそうだが。
と、その時だった。着信音が鳴り響く。レックスから――

〈む、アーニャからだな〉

「そうなんだ。レックス、リトラクトフォーム」

〈うむ〉

ネギの指示で跳び上がり、携帯の姿へと変形するレックス。そのままネギの手に収まり、普通の携帯のように開いて――

「うん、ボクだよ。うん、うん……え? 来て欲しい?」

と、携帯越しに話をするネギだったが、アスナとのどか、夕映の3人は微妙な表情でそれを見てたりする。まぁ、レックスは見た目携帯とはいえ、動く姿を見てると携帯として使うのは躊躇われる気がしてならないからである。なお、真名は知り合いということもあり、慣れてるので気にした様子は無い。このかは、なんか便利そうとかそういう感じで見てたりする。

「アーニャが教室に来て欲しいそうなんで、行きますね」

「あ、そういえば……そうか、あれがあったな」

「そや、忘れてたわ」

レックスを懐にしまいつつ、そんなことを言うネギであったが、それで何かを思い出したらしい真名とこのかがはっとしていた。それはアスナとのどか、夕映も同じであったけど。

「どうかしたんですか?」

「なに、行けばわかるさ」

首をかしげるネギに、真名は意味ありげな笑みを向けるのだった。

で、ネギ達が教室にやってくると――

『ようこそ! ネギ先生〜!!』

「え? あの、これって……」
「君とアーニャの歓迎会さ」

鳴り響くクラッカーと共に教室にいた女子生徒達が歓迎するが、ネギは突然のことに戸惑い、真名がくすくすと笑いながらフォローしていた。そんなわけで始まる歓迎会。あやかが普通である以外は、ほぼ正史通りに進み――

「やぁ、ネギ君。初日の授業、お疲れ様だったね。アーニャ君もご苦労様」

「あ、タカミチ」

「私は別に苦労はしてないけど……でも、ここのテンションには恐れ入るわね」

しずなと共にやってきた高畑が労いの声を掛けてきた。それにネギは顔を向け、アーニャもやれやれといった様子で答えていた。しばらくは他愛の無い話をする3人であったが――

「そうだ。ねぇ、タカミチ。アスナさんのことどう思ってるの?」

「どうって……なんで、そんなことを聞くんだい?」

「ああ、なんかアスナさんがタカミチのことを気に掛けてたみたいだから。ちょっと気になって」

なんてことを高畑に聞くネギ。ちなみにだが、本当に気になったので聞いてみたのだ。まだ10歳の子供だけあって恋愛とかには疎いネギだが、アスナが高畑を特別な感情で見ているというのは流石にわかる。なのに、高畑は普通に接していた。どうして、そういられるかが気になっていたのである。

「う〜ん、そうだねぇ……毎朝バイトをがんばっていて、しっかりしてるし……明るくて元気ないい子だよ?」

「それだけなの?」

ちょっと困った風に笑みを浮かべながら高畑は答えるのだが、アーニャは突っかかるように聞いてくる。アーニャの場合、女の子ということもあって、恋愛沙汰は敏感だ。もっとも、歳が歳なので、それなりといった感じではあるのだが。まぁ、ネギの横にいたので話を聞いてしまい、それで気になって聞いてみたのだ。

「そういわれてもなぁ……生徒という答え方もあるし……家族って言い方もあるかな? アスナ君とは付き合いが長くてね。だからってこともあるんだけど」

「へぇ……それだけなの?」

「それだけって……そうとしか言えないよ。さっき家族って言ったけど、僕にとってアスナ君は娘……いや、妹みたいなものさ。それ以上でもそれ以下でも無いよ」

なにやら更に突っかかってくるアーニャを訝しげに思いつつも、高畑は自嘲気味にそう答えた。もっとも、それだけではないのだが、流石にここでは言えなかった。

「あ、アスナ!」

その時だった。アスナがこのかの制止を振り切って、外へと出て行ってしまったのである。突然のことに呆然となる女子生徒達。実は今までの会話をアスナは聞いていたのだ。そして、高畑の言葉にショックを受け、いたたまれずに飛び出してしまったのである。

「ちょっと、意地悪だったかな……」

「アスナさん!」

アーニャが自分がしたことに気付いて反省した時、ネギが慌てて追いかけるが、すでにその姿は見えなかった。

〈レイジングハート。アスナさんはどこに?〉

〈LOSTしました。どういうわけか、彼女の反応が見えません〉

レイジングハートに探してもらおうとするが、その報告に驚く。レイジングハートのレーダー類はかなりの精度を持つ。なんらかの対策をしているならまだしも、一般人であるはずのアスナを見失うのはまずありえなかった。
ただ、レイジングハートはこの時、魔力を用いた方法で探そうとしていた。一方でアスナは無意識に魔法無効化能力を使用していたのである。そのため、アスナの位置を特定出来なかったのだ。そのことを知らないネギは驚きながらも、アスナを探そうと駆け出すのであった。

その頃、アスナはすでに学校の外に出て、林の中を走っていた。薄々ではあったが自覚はあった。自分の想いが片思いであること。高畑が自分を恋愛対象として見ていなかったことを……でも、それを実際に高畑の口から聞いてしまうと……悲しいとか悔しいとか、そういう感情は無かった。でも、あの場にいるのがツラくて……だから、逃げ出してしまった。何も考えず、うつむきながら走り続ける。今はただ逃げたくて――

「きゃ!?」
「おっと」

そのためだろう。目の前に人がいるのにも気付かずに、ぶつかってしまったのは。

「あ、ごめんな……さい……私……」

「いえいえ。私も余所見をしておりましたので」

涙をぬぐいながら謝るアスナを、優しい声が宥めていた。その声に顔を上げてみると、そこには穏やかな顔をした青年がアスナを見ている所だった。

「あ、その……なんて言うか……本当にごめんなさい」

「ははは。まぁ、あなたに怪我が無くて良かったですよ。ところで、ぶしつけな質問ですが、どうしてここへ? なにか、泣いておられるようですが?」

謝るアスナに対し、穏やかな顔をした青年が問い掛ける。それにアスナは戸惑いを見せた。だって、人に言えることでは無いのだから……恥ずかしくて……

「ああ、言えないのでしたら、別に無理に話すことはありませんよ。私も気になっただけですので」

青年は謝るように頭を下げた。それを呆然と見ていたアスナであったが――

「ぷ……うふ、ふふふ……ははは……」

「ええと、何かおかしかったですか?」

笑い出してしまい、それを見た青年は困ったように頭を掻いていた。悪いと思うのだが、なぜかその様子が違和感が無いはずなのに、違和感だらけで……それがおかしくて、笑い出してしまったのである。

「あ、ごめんなさい。その……なんていうか、おかしかったから……」

「はぁ……まぁ、泣き止んだみたいですし、別にいいのですがねぇ……」

今度はアスナが謝る番となったが、青年は困った顔をしながらも気にしてないと手を振り返す。その様がまたおかしくて、笑いそうになるが……吹っ切れたのか、アスナは高畑……の名前までは言わなかったが、好きだった人の気持ちを知って、ショックだったことを話した。それで逃げ出してしまったことも……

「そうでしたか……まぁ、その人の気持ちというか、想いというか……そういうのもあるでしょうしねぇ……そうそう、簡単には行きませんよ」

「ですよ……ね……ホント……馬鹿みたいだな……私……」

青年の言葉に、アスナはそんなことを考えてしまう。本当に馬鹿みたいだ……高畑の気持ちも考えずに浮かれていた自分が……

「あ〜、そう自分を卑下しなくても……ええと……ま、なんと言いますか……これからはどうするので?」

青年に問われ、アスナは思わず押し黙る。ちなみにだが、卑下の意味がわからなかったりしたけど、今の気分では聞く気にもなれなかった。

「どうしようかな……本当に……」

「ああ……聞いておいてなんですが、急いで答えを出す必要は無いと思いますよ?」

「え?」

「あなたがこの後どのようにするかは、私にはわかりません。自分で考えて答えを出すかもしれませんし、誰かの話を聞いて答えを出すかもしれませんからね。でも、その答えを出した後に、どうなるかを確かめる術はただ1つ。実行するしかありません。つまり、あなたの気持ち次第ということです。上手くいくのか、後悔するハメになるのか、それともこのまま何もしないでおくのかは」

青年の言葉を、悩んでいたアスナはただじっと聞いていた。青年の言うこともなんとなくだがわかる。この事は結局、自分が動くしかない。それはわかる。わかるけど……

「怖い……ですか?」

「え? ええ……なんというか、その……」

「ま、それもそうかもしれませんね。いざって時には怖くなるのは普通でしょうし」

見透かされてるような気がして戸惑いを感じるものの、その通りでもあるのでうなずくアスナ。そこで今頃になって気になってしまう。この青年は何者なんだろうかと。

「でもまぁ、あなたを見守ってくれる人はいるみたいですよ?」

「え? それって――」

どういうことなのかを聞こうと思った時――

「アスナさ〜ん!」

ネギがこちらへと走ってくるのが見えた。同時に、どうしてネギが私を探しに来たんだろう? そんな疑問がよぎる。

「あの、その……ごめんなさい! 僕、なんか余計なことしちゃったみたいで……」

やってくるなり、頭を下げるネギ。アスナを探す間、もしかして自分のせいかもと思ってしまった。だって、高畑にアスナのことを聞いたのは自分なのだから。そんなネギをアスナはただじっと見つめていた。でも、内心は戸惑っていた。確かに逃げ出した理由はネギが高畑に自分のことを聞いたのがきっかけだったけど……
でも、冷静に考えるとネギが悪いわけではない。あれは高畑の気持ちであって、ネギが直接何かしたわけじゃないのだし。ショックなことはショックだったけど……でも、ネギはこんなにも自分を心配してくれてるのだ。だから、怒る気になんてなれない。

「謝らなくていいわよ。あんたが何かしたわけじゃないんだしね」

「は、はぁ……」

アスナの言葉に、ネギは恐縮そうに頭を掻いていた。まったく、気にしすぎねと思えてくる。

「あ、ごめんなさい。話を聞いてもらったの……に?」

そこで青年のことを思い出し、声を掛けたのだが……いつの間にやら、青年の姿はどこにも無かった。

「どうしたんですか、アスナさん?」

「えっと、その……さっきまでそこに人がいたんだけど……」

首をかしげるネギに、アスナは青年がいた場所を指差しつつ戸惑いながら答えた。いつの間にいなくなったのだろう? 考えれば考えるほどおかしな青年にアスナは疑問を感じずにはいられなかったが……

「まぁ、いいか。戻りましょ。みんな、心配してるだろうし」

「え? ええ……」

晴々とした笑顔を見せるアスナに、ネギは戸惑いつつもうなずき、共に教室へと戻るのであった。その後、教室に戻った2人であったが、それをクラスメートにからかわれてアスナが怒り出し、ネギが宥めるという場面があったりする。

そんな場面を穏やかな顔をした青年こと、シンジは木の陰から見守っていた。

「ま、アスナさんの方はあれで大丈夫でしょ。にしても……」

そのことには安堵しつつも、表情はどこかすぐれないシンジ。というのも――

「あの小さな子がエヴァンリンさんでしょうか? 弱いですが吸血鬼特有の気配がありますし……それに報告通り、妙な気配な方がいますねぇ。これだと麻帆良で鍛錬とかするのは難しそうですね。なにやら、ちょっかい掛けてきそうですし……はぁ……紫さんと霊夢さんにお願いしましょうか。お礼、持って行かなきゃなりませんが……」

今後のことに頭を悩ませるのであった。



その後、ネギはアーニャと共にアスナ達の部屋にお世話になることとなった。といっても、これは学園長の指示である。ネギより1歳年上とはいえ、アーニャも子供なのは事実である。寮住まいといっても、1人暮らしは何かと不便であろう。
だから、誰かと同室になってもらった方がいい。そこで白羽の矢がたったのがアスナとこのかの部屋である。幼馴染であるネギも元からそこに泊まることになっていたし……と、学園長は理由を述べたのだが、事実は当然の如く違う。
実は学園長、ネギが魔法使い見習いであることをアスナ達にバレたのは知っていたのである。学園内ならば余程のことがない限り、把握することは難しくないので当然とも言えるが。ともかく、それによってアーニャのこともアスナ達が知るのも時間の問題だろう。ならば、一緒にしてしまった方がいいという判断であった。
流石に荷物は置ききれないので、本来アーニャの部屋になるはずだった所に大半を置くことになったが、アスナ達の部屋からそれほど離れていないのでそれほど不便ということもなかった。で、荷物の整理後、夕映とのどかを交えて放課後のことをアーニャに話し――

「そういうことなら仕方ないわね。でも、ホントに秘密にしてよ? もし、バラしたらあなた達もただじゃすまないかもしれないし」

「え? それって、どういうこと?」

「言葉通りよ。ま、魔法に関する記憶を消されるのは間違いないでしょうけど」

アーニャの忠告に問い掛けたアスナも含めて皆息を飲んだ。いまいちピンと来ない所もあったものの、面白く無いことには違いないと気付いたからだ。その後、秘密にするうと改めて誓った後に解散となり、麻帆良初日の夜が終わりを告げるのであった。

そう、まだ初日。麻帆良での物語はまだ始まったばかり。だが、もう1つの物語が重なろうとしていた。

「というわけですので、こちらでネギ君を鍛えたいと思うのですが、よろしいでしょうか?」

「はぁ……あなたは……わかったわ。でも、約束して欲しいことが――」

「ここのバランスが崩れないようにする、でしょう? それは私も望む所ではありませんよ。ここを気に入ってますしねぇ」

 正座しつつ、お茶を一飲みするシンジ。そんな彼の前で同じように正座する女性はため息を漏らした。

「そう……ならば、気をつけて頂戴ね?」

「もちろんですよ。紫さんとケンカは、したくはないですしねぇ〜」

紫と呼ばれた呆れる女性に、シンジはにこやかな笑みを向けるのだが、紫はそれを見てまたため息を漏らすのであった。彼女の名は八雲紫。幻想卿に住まいし、妖怪の1人である。



あとがき

DRT:というわけで、第1話はいかがでしたか?
シンジ:いや、ちょいと待て。デビルウォーカーは本気でどうするんだ?
DRT:あ〜……なんというか、飽きが出てきちゃってね。それが収まるまでの間、これで茶を濁そうと思ってね。
シンジ:いいのか、それ?
DRT:……たぶん。
シンジ:不安な顔で答えんじゃねぇよ。
DRT:いや、まぁ……いいじゃん。それはそうとして、ついに出ました東方!!
シンジ:つい最近になって、お前がハマったものだよな。でも、なんでまた?
DRT:いやね。この作品書いた当初は出す予定まったく無かったんだよ。でも、ネギの修行場面をどうしようかと思った時に思いついちゃってねぇ。ネギの修行場面を麻帆良側にあんまさらしたくなかったんで。
シンジ:でも、他にやり方あるんじゃないのか?
DRT:不意に出したくなったというのが7割方の理由でもあるけど。
シンジ:ほぼ、そっちの方だろ……出す理由は……
DRT:はははは。てなわけで、次回は東方系キャラが出てきますんで、よろしく〜
シンジ:大丈夫かね……ホント……


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